ハンドボール元日本代表・土井レミイ杏利が引退「僕をきっかけにハンドボールを始めた子どもたちに、僕と同じ思いはしてほしくない」 (3ページ目)
【「サッカーや野球をやっていたらもっと稼げたんじゃない」とか・・・】
―― ありがとうございます。さて、日本ハンドボールリーグは今年の9月からプロリーグとなり新たなスタートを切ることとなります。土井さんは今後、リーグにどのような形に進んでほしいとお考えですか?
土井 まずは、ヨーロッパで成功しているリーグにならって、組織としてしっかりしたチーム体制で運営していってくれたらなと思っています。来季(2024年9月開幕)からプロリーグ化も控えていて、数年かけてよいものにしていこうっていう話ですので、期待しています。
インスタグラムなどのSNSを通してたくさんのコメントをいただくのですが、僕をきっかけにハンドボールを始めたっていう方がすごく多くて。ただ、周りから「僕がほかの競技をやっていたらどうだったんだろう」とか「サッカーや野球をやっていたらもっと稼げたんじゃないか」みたいなことを言われる時があります。それって悔しいですよね。そういう思いを、僕がきっかけでハンドボールを始めてくれた子どもたちにしてほしくないんです。
だから、彼らが大きくなって、ハンドボールを続けていてよかったなって思えるような環境を作ってあげるところまでが、僕の責任なのかなって思っています。ハンドボール界のためにやりたいことはたくさんありますし、今後も携われるところで、手伝えることは積極的にやっていきたいですね。
【Profile】
土井レミイ杏利(どい・れみい・あんり)
1989年9月28日生まれ。千葉県出身。フランス人の父と日本人の母の間に生まれ、小学3年生の時にハンドボールを始める。大学卒業後、ヒザのケガをきっかけに一度は競技を引退。語学留学のためフランスへ渡るが、留学先でヒザの痛みが消えていることに気づき、再びハンドボールの世界へ。2012 年、フランス1部リーグ『シャンベリ・サヴォワ・ハンドボール』のセカンドチームの練習に参加。その後、プロ契約を結び、2017年には日本人ハンドボール選手史上初のオールスター出場を果たす。2019年より日本ハンドボールリーグの『大崎電気OSAKI OSOL』に移籍し、2021年から『ジークスター東京』に所属。日本代表でも長年主力として活躍し、東京五輪ではキャプテンも務めた。2024年5月のプレーオフをもって現役を引退。
『TikTok』では700万人を超えるフォロワーを持ち、大人気TikTokクリエイターとしての顔も持ち合わせる。180cm・80kg
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