元日本代表・山田幸代が明かす、ラクロスが2028年ロス五輪追加競技となるまでの経緯 ルールやプレー人数の変更など「柔軟に対応できた」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Nagatsuka Kaz
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

【ロス五輪後の競技の未来像】

――ラクロスのオリンピック競技採用は、競技の盛んなアメリカ大会だからこそ機運が高まったのでしょうか?

「そうですね。パリ五輪ではなかったです。パリはもう初めから(参加選手総数の上限が)1万人になると決められていたので、絶対無理だと思っていましたし、ロスの次が(ラクロスの盛んな)オーストラリアのブリスベンになる可能性が高いこともある程度わかっていたこともあります。

 今回、ロサンゼルス五輪の追加競技には5つの競技が採用されたじゃないですか。そのうち、この先も残るのはクリケットとラクロス、スカッシュじゃないかと予想しています。ロス五輪後もオリンピックに残ることも、私たちの目標設定でした」

――ラクロスではアメリカ先住民族のホデノショニのチームが参加する世界大会もありますが、彼らは国ではないため現状ではロサンゼルス五輪に出場することは難しそうな状況ですね。

「そこは問題ですね。ただやっぱり、難しいとは思います。ホデノショニは一番のスターチームで、私たちもネイティブ・アメリカンの人たちのチームを国として称えているので、出てほしいですけどね」

――6人制がオリンピックで採用されたことで、これがこの競技の未来のようにも思えるのですが、山田さんはどのようにとらえられていますか?

「(7人制のある)ラグビーみたいになるのかなと思います。従来からの10対10も盛り上げる一方で、世界的にはシクシーズのほうが広がっていくと思うんですよね。というのも、ラクロスの参加国は91カ国でIOCからは『増やしなさい』といわれています。

 オリンピックに採用されるためには競技団体に75カ国以上が参加していることが前提になるのですが、今の91でいいのかと。これを増やしていくのも私たちのミッションですけど、6人制のほうが広がりやすいですよね。

 ラクロスをやっている人からすれば10対10のほうが満足感があるでしょうが、見る側からすればシクシーズ(6人制)もとても面白いと思います」

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