熱狂のラグビーW杯現地レポート 試合を楽しむために欠かせない「ノーサイド」の精神 (2ページ目)
選手の安全性に注目!
レフェリーならではの視点でラグビーを楽しむ片桐伸也さん(左)と奥様 ご夫婦でイングランド対日本を観戦しに来た片桐伸也さんは、高校時代フランカーとして活躍した元ラグビープレーヤー。後にレフェリーを務めるなどラグビー界を支えてきた。2003年のオーストラリア大会から毎回ご夫婦で現地観戦している。
「4年に1回、夫婦で海外旅行できると思いながらワールドカップに行っています。レフェリーの立場から、最近とくに重視されている選手の安全性、またカード(イエロー、レッド、バンカー)に注目しながら試合を観戦しています」
ジャージーを着て日本代表を応援する一方で、期待しているチームが他にもある。
「日本はまだ何か(戦術等を)隠している気がします。隠しながら(初戦のチリ戦で)いい結果を残したので、今後に期待しています。あとはウルグアイですね。前回大会、釜石で行なわれたフィジー対ウルグアイをたまたま観戦していたのですが、すごく面白い試合でした。またあのような試合を期待しています」
ファンもノーサイド!
パリ近郊サン=ドニのスタッド・ド・フランスで行なわれた大一番、アイルランド対南アフリカでも多くのファンが名勝負を堪能し、ノーサイドとなれば敵味方を問わず談笑する姿を確認することができた。
試合後にはアイルランドと南アフリカのファンが交流する姿も 試合が終われば、敵味方も関係ない。そんなラグビーの魅力とファンの共通認識がどの会場でも強く感じられるラグビーワールドカップ2023フランス大会は、現地時間10月28日まで行なわれる。
著者プロフィール
齋藤龍太郎 (さいとう・りゅうたろう)
編集者、ライター、フォトグラファー。1976年、東京都生まれ。明治大学在学中にラグビーの魅力にとりつかれ、卒業後、入社した出版社でラグビーのムック、書籍を手がける。2015年に独立し、編集プロダクション「楕円銀河」を設立。世界各地でラグビーを取材し、さまざまなメディアに寄稿中。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。
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