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IOCも注目のハンドボール世界選手権。コロナ感染防止の「バブル」とは (3ページ目)

  • 田口有史●取材・文 text by Taguchi Yukihito
  • photo by Taguchi Yukihito/JHA(日本ハンドボール協会)

 もともと、エジプトに入国するにあたっては、出発72時間以内にPCR検査をし、陰性証明を持たなければ入国することはできない。そこに、「バブル」内で生活する者として、3日に1度のPCR検査が義務付けられていた。さらに選手団の一員として、選手たちと同様の感染対策が加わった。そのプロトコルはなかなか厳重で、12月31日、大晦日の夕方に東京・味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)でのPCR検査から日本代表チームの「バブル」入りしたのち、1月2日にNTCを出発し、3日にエジプト・カイロへ到着。世界選手権のバブルへ入った。

 到着後の流れは、飛行機が空港に到着すると、選手団は空港施設へ入ることなく飛行機から直接滑走路で待機しているチーム用バスへ乗り込み、そのバスの中で最初のPCR検査を受ける。全員の入国審査、税関処理はパスポートを預かった係員が行ない、我々はタラップからバスまでの数歩のみ地上を踏んだだけでバブル内のホテルへ。到着後、再び鼻と喉から検体を採取するPCR検査を行ない、係員によって消毒され、運ばれてきた荷物をホテル玄関前で持って、検査結果が出るまでそれぞれ自室で隔離。食事は部屋に運ばれてきた昼食と夕食を頂いて、隔離状態のまま翌朝を迎えた。

 検査結果は無事に全員陰性。4日の朝食会場で1日ぶりに全選手、スタッフと顔を合わせたが、今度はエジプトとの親善試合を翌日に控えているため、試合前日に義務付けられているPCR検査を再び受けて、夕方から練習会場へ。本来なら練習出発までの間にジムで汗を流すなどしたいところだが、感染対策プロトコルにより、国ごとにジムの使用時間が区切られて、なかなか自由にはいかない。

 ホテルの玄関からバスに乗り、ホテルのゲートを通過するとパトカーの先導で練習会場へ。そして、会場では、決められた道のりで練習場へ向かうと、手指を消毒ののち、練習開始。練習後、バスに乗り込むと再びパトカー先導のもとホテルに帰り、持ち出した荷物をすべて消毒し、ようやく部屋に戻ることができた。翌日の試合へ向かうときも同様で、会場内のシャワーは使用禁止。選手はユニフォームを着たままバスに乗り込み、そのままホテルに戻って会場で長い時間を過ごさないように決められている。

 ホテル内は、チームごとに滞在するフロアを分けるなど、国ごとのソーシャルディスタンスを保つよう努めていて、食事会場やミーティンルーム、そしてジムなど、止むを得ずその部屋を数チームでシェアする場合は、使用時間を区切るなどの対策が考えられている。

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