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IOCも注目のハンドボール世界選手権。コロナ感染防止の「バブル」とは

  • 田口有史●取材・文 text by Taguchi Yukihito
  • photo by Taguchi Yukihito/JHA(日本ハンドボール協会)

エジプト・アレクサンドリアのホテルでPCR検査を受ける日本代表の徳田新之介選手エジプト・アレクサンドリアのホテルでPCR検査を受ける日本代表の徳田新之介選手 鼻がいくつあっても足りない。出発前に日本で最初に受けたPCR検査は、10日間ですでに6回を数えた。

 今回、新型コロナウイルスによるパンデミックの中で13日に開幕した、世界的規模の室内競技の大会としては初めてとなるハンドボール男子の世界選手権の取材のためにエジプトへ来ている。

 国際ハンドボール連盟と、エジブトのハンドボール世界選手権組織委員会は、NBAが昨シーズンの終盤戦を行なうために作り上げた隔離空間、通称「バブル」というシステムに倣っての大会運営を目指している。

 しかし、この大会がNBAよりも複雑な点がいくつかある。

 ひとつは、開催するアリーナが一極集中ではなく4カ所に分かれており、場所によってはメイン会場のあるカイロから車で3時間半離れたアレクサンドリアにもあること。また、世界の各地域の代表選手らが飛行機に乗ってエジプト入りし、参加するということ。そして、試合会場と滞在先は同じ敷地内にあるわけではないなどの要因が、事態を少し複雑にしている。

 世界中を見渡しても、すべてをひとつの場所に押し込められるほどの設備があるところは限られているため、いかに複数個の「バブル」を作って、その間の移動をどう安全・確実にしていくかがカギになる。今大会は、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長も視察に訪れる。この夏の東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、さまざまな競技の手本になる可能性がある。

試合会場となるバブル内のコートで練習する選手たち試合会場となるバブル内のコートで練習する選手たち

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