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Tリーグチェアマンが語る2年目の改革。
選手の出身地で試合をする狙い (4ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

――Tリーグでは地方開催の試合も多く、地域の枠を超えて卓球に触れる機会の創出にもなっているかと思います。

「これまでトップレベルの選手を日本で観られる機会といえば、せいぜい全日本選手権とジャパンオープンくらいのものでした。そういった大きな大会ほど開催場所はほとんど東京などの都心部に限定され、遠方に住む方は観戦したくても物理的に難しかった面もありました。Tリーグが各都市で試合を行なうことで、全国の人に卓球を見る機会を増やしていく契機になればこれ以上うれしいことはないです」

――選手からも、「いろいろな地方のファンと触れ合えることが楽しく、新たな発見もある」という声もありました。

「今シーズンで言えば、石川佳純選手の山口県や平野美宇選手の山梨県といった選手の出身地や、鳴門市、袋井市といった新たな開催地が続々と決定しています。昨シーズンも早田ひな選手の北九州市や、丹羽孝希選手の苫小牧市、吉村真晴選手の茨城県など、選手の出身地での試合では、地元の方々に大いに喜んでいただきました。

 そういった地元で卓球する子供達や学生がトッププレーヤーの技術を見て、将来的にTリーグに参入するような選手が出てくる。そんなサイクルができれば卓球界の未来へとつながっていく。そういった部分でもリーグの意義が生まれてくるはずです」

(後編につづく)


(松下浩二プロフィール)
まつした・こうじ 1967年8月28日生まれ。愛知県出身。1993年に日本人初のプロ選手になった卓球界のレジェンド。バルセロナからシドニーまで4大会連続でオリンピックに出場し、世界卓球選手権では1997年大会で男子ダブルス銅、2000年大会で男子団体銅を獲得。ドイツ・ブンデスリーガでもプレーした。2009年1月の全日本選手権を最後に現役を引退。Tリーグのチェアマンとして、プロリーグ立ち上げに尽力した。

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