2018.10.10

主将・張本智和もビックリ? 
逆風下のアルゼンチンでユース五輪開幕

  • 三村高之●文・写真 text & photo by Mimura Takayuki

 10月6日、南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、ユース五輪が開幕した。この大会は15歳から18歳までのアスリートによって競われるもので、これが3回目の開催となる。

ユース五輪・男子卓球で金メダルが有力視されている張本智和 強豪サッカークラブであるボカ・ジュニアーズの元会長にして、現在は大統領のマウリシオ・マクリが市長時代に招致が決まったユース五輪。だがその後、アルゼンチン経済は悪化の一途をたどり、「とてつもない無駄遣いだ」という批判が巻き起こった。

 普通の五輪と違い、ユースの大会に外国から観戦者が押し寄せることはなく、観光収入は期待できない。アルゼンチン通貨ペソの下落は止まるところを知らず、1年前は1ドル17ペソだったのが、数日前には42ペソとなった。日々のインフレに苦しむ市民には当然の思いだろう。

 基本的には既存の施設を活用しているが、水泳競技用プールや5人制ホッケーグラウンド、選手村などは新設。市は多くの予算をつぎ込まなければならなかった。それでもオラシオ・ラレッタ市長は、「世界中の206の国と地域から4000人以上の選手が集結する大会を開催することは、ブエノスアイレスのみならずアルゼンチンの誇りだ」と力説する。

 ブエノスアイレス市は扇型をしており、競技会場はいくつかに分散しているものの、選手村などがあるメイン会場はその左上に位置する。この地区はかつてF1レースが行なわれたサーキット場や多くのグラウンド、空き地が点在し、人口密度が低い。勝手にバラックを建てて住み着いた不法居住者が多数おり、当然のごとく治安も悪い。