2018.09.06

NFLドラフト1巡目でQBが5人も。
今年の新顔はスター候補ぞろい

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 会場が10万人を収容するダラス・カウボーイズの豪奢な本拠地「AT&Tスタジアム」だったから……というだけではなく、今春のNFLドラフトはずいぶんと華やいだイベントとなった。なぜならば、フットボールの花形であるクォーターバック(QB)が、1巡目だけで5人も指名を受けたからだ。これはNFL史上最多タイの数である。

今年のドラフトで全体1番目指名を受けたQBベイカー・メイフィールド ドラフト1巡目と聞けば、すべてを兼備した「エリート」の印象があるかもしれない。だが、この5人のQBを見ていると、必ずしもそういった感じの選手だけではないのだから、より見る者の関心を引く。

 とはいえ、プレシーズンを見るかぎり、5人それぞれがいい形でプロへの第一歩を踏み出していた。思っていたよりも早く、彼らの出番は巡ってくるかもしれない。

 優勝争いを見るのは当然、楽しい。だが、若い選手がドラフト順位どおりの期待に応えることができるのか、厳しいNFLの世界でプロとして確立していけるのか――。そうした点を見るのも、また楽しみだ。

 この5人の新人QBのなかで、もっとも注視されているのは、オクラホマ大のベイカー・メイフィールドだろう。名誉あるドラフト全体1番目指名でクリーブランド・ブラウンズへの入団が決まった。

 彼の場合は、その指名順位に似つかわしくない「危うさ」をはらんでいるという点でも注目を集めている。思い切りよくパスを投げるQBを、アメリカではしばしば「Gunslinger(ガンスリンガー/銃の名手)」と呼ぶ。近年であれば、ブレット・ファーブ(元グリーンベイ・パッカーズ)にその愛称がよく使われていたが、メイフィールドはまさに「ファーブのようなガンスリンガー」と評されている。

 NFLのQBとしては小柄であること(大半が190cm前後である一方で、メイフィールドは180cmほどしかない)や、未熟さを感じさせる人間性(大学時代に飲酒でトラブルを起こしている)など、メイフィールドは少なからず危惧されている。しかし一方で、高いパス精度などQBとしての総合力は高く、ブラウンズはそこを評価したのだろう。2002年以来プレーオフに進出していない弱小球団だけに、メイフィールドのようなリスクの高い選手を獲るという「博打」に打って出た。その決断は奏功するだろうか。