みま、みう、1年後の全日本での明暗。2人の卓球の何が変わったのか (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  中村博之●写真 photo by Nakamura hiroyuki/PICSPORT

 自分のスタイルをどう変えるのか。その答えが従来の自分の「省エネ」スタイルを否定するのではなく、それにプラス真逆のスタイルを取り入れることだった。

「動ける卓球をしたいなって思ったんです」
 
 受け身ではなく、相手によってプレーを変えることで勝機を見出していく。しかし、「動ける卓球」を実現するためには、相当なフィジカルが必要だった。そのためにトレーナーの指導のもとでジムトレーニングを始め、時間のない時は練習場の近所の公園でもトレーニングをし、下半身中心に体幹の強化に努めてきた。さらにラリーの特訓、多球練習を3分間続けるなどハードな練習を課して体力を養った。

 また、基本重視のため中国製のラバーを使って練習した。中国製ラバーはしっかり当てないといいボールがいかないので、それで基礎の土台作りをし、昨年9月に日本製ラバーに戻した。その結果、ゲーム体力はもちろん、フォア、バックともに球のスピードとキレが増した。さらに相手の揺さぶりにもしっかりと対応しつつ、なおかつ厳しいところに返すことが可能になり、ポイントを取れるようになった。

「今回、3種目に出させてもらっていますがケガもなく、いい体調で試合に挑めているので体力は前よりも長持ちするようになりました。ラリーで崩れない、崩れても立て直せる体を作りたいと思ってトレーニングを頑張ってきたんですが、それが今回の全日本ですごく出たと思います。サーブ&レシーブからの展開にプラス、ラリー戦で戦えるようになったのは、すごく自信になりました」

 その自信と勢いで前回王者の平野と決勝で対戦した。

 3ゲームをあっさり連取し、このままストレート勝ちするだろうと思うくらいの差があったが、4ゲーム目を落とした。

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