2015.10.20

【ハンドボール】リオ五輪に向けて、「おりひめジャパン」いざ出陣!

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

女子日本代表・栗山雅倫監督。「3年半、 この大会のためだけに準備してきた」 「『ジャパン・ウェイ』と言い始めたのは、ラグビーよりも私たちのほうが早いんじゃないかな」。2012年からチームを率いる栗山雅倫監督は、そう言って笑った。

 「日本は世界どころか、アジアの中でも小さい。『でも、それってビハインドなの?』と考えたんです。大きな選手は足下でゴチャゴチャ動かれるのを嫌がる傾向があります。だったら、小さいことは武器になる。日本は低さで勝負だと」

 ハンドボールのオーソドックスなディフェンスとして、6メートルラインの前に選手を並べるゾーンディフェンスが挙げられる。しかし、身長で劣るチームがゾーンを組むと、ディフェンスの上からシュートを打たれてしまう。

「私は現役時代GKだったので、ディフェンスの上からシュートを打たれると止めようがないことを、イヤというほど体感してきました。じゃあ、小さいチームがどう戦うか? ディフェンスのラインをものすごく高くして、ぶつかりまくるしかない」

 ただ当初、そのアグレッシブすぎるディフェンスは、各方面から批判的な声が上がったという。「そんなディフェンスで1試合もつわけがない」と。しかし、監督の信念は揺るがなかった。

「やらなければ勝負にならない。ならば60分もつかどうか、分からないからやらないのではなく、60分もつ体力をつけたほうがいい」

 おりひめジャパンの代表合宿は、3部練習は当たり前。猛練習の結果、選手たちは非現実的と言われた60分間走り続ける体力を手に入れる。

 そして、2013年の世界選手権では、金・銀・銅メダルを獲得したブラジル、セビリア、デンマークと対戦し、勝つことこそできなかったものの全て接戦を演じ、国際ハンドボール連盟のニュースページに、そのアグレッシブな戦いぶりが取り上げられた。高い位置からプレッシャーをかけ続けるジャパン・ウェイのディフェンスは、いつしか『スーパーセル』呼ばれ、今ではディフェンス・システムのひとつとなっている。