【連載】八村塁がレイカーズに残した足跡とクリッパーズの現在地「僕はオールスターでも、スーパースターでもない。だからこそ大事なのは......」 (3ページ目)
【クリッパーズで求められる八村の役割】
八村にとって、クリッパーズでプレーすることは、新しいチャレンジだ。レイカーズでは、スーパースターを擁し、優勝しなければ失敗と言われる名門で、自分の役割を遂行することが求められた。一方、シーズン途中のトレードも含めてスーパースターの選手が去り、若返りを図るクリッパーズでは、単なるスポットアップシューターではなく、幅広いプレーで大きな役割を担うことが期待されている。開幕前から主力に故障者が相次いでいることもあり、今は当初の想定以上に得点源としての働きが必要とされている。
10月23日のレイカーズ戦で、八村は16得点、6リバウンドを記録した。前半にはフィールドゴール8本中4本、3ポイントを2本とも沈め、12得点をあげたものの、後半はフィールドゴール6本中1本と苦戦。チームとしても前半はリードする時間が長かったが、同点でハーフタイムを迎えると後半に逆転され、117対125で敗れた。八村自身の新しい役割へのアジャストも、スーパースターがいないなかでのクリッパーズの戦いも、簡単ではないことが浮き彫りになった。
それでも、ルーHCが掲げる今季の目標はプレーオフ進出。八村も「自分としても、今、4年連続で(プレーオフに)出ているので、その記録は続けていきたいと思います」と、その目標を共有している。
レイカーズ戦のあと、八村は自分やチームの現在地について、こう語った。
「僕がオールスターやスーパースターではないことはわかっている。だからこそ、大事なのは、お互いにどう助け合えるか。そうすれば、僕にとっても彼ら(チームメイト)にとってもプレーが楽になる。タイ(ルーHC)はそういったチームを築こうとしている。シーズンはまだ長い。僕は多くのことを改善するためにここにいる。試合の映像を見て、練習に集中し、自分のプレーのレベルを上げようとしている。僕にとって重要なシーズンになると思う」
若手を中心に新しい時代を築き、いつか人気でもレイカーズに肩を並べようとするクリッパーズと、新天地で役割を広げ、さらなる成長を求める八村。ともに高みを目指すシーズンが、今、始まった。
著者プロフィール
宮地陽子 (みやじ・ようこ)
スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。
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