河村勇輝、「3年目のNBA挑戦」へ 日本代表で多くの学びと刺激を得た「夏」はまだ終わっていない (3ページ目)
【周囲を巻き込みながらプレーしていた】
トム・ホーバス氏がヘッドコーチ(HC)を務めていた当時の日本代表は、渡邊雄太(千葉ジェッツ)が「ギャンブルのようなバスケット」と表現するほど、3Pを積極的に打っていくスタイルだった。渡邊の言葉に他意はない。当時の日本は、リスクを取りながら戦わなければ世界の強豪と渡り合えない、という意味でそう話していた。
パリ五輪で日本は、のちに銀メダルを獲得したフランスをあと一歩まで追い詰めた。ただ一方で、全敗に終わるという厳しい現実も突きつけられた。当時の日本は、相手を問わず自分たちのスタイルを徹底していたが、それがうまく機能しないと後手に回ってしまう不安定さも否めなかった。そのなかで、代表チームで抜きん出た存在である河村は、個の力量を前面に出したプレーを見せていた。
韓国との強化試合の際、河村は満員の観衆の前でこう言った。
「僕たちの目標は、単にアジアで勝つことではありません。世界で勝つことが目標です」
サイズや身体能力で秀でているわけではない日本が世界で勝つには、やはりチームとして戦わねば、勝利の可能性は高まらない。ホーバス体制下で学んだ「まずは自らの得点を狙う」という意識に変化はないだろう。だが、周りを巻き込んでチームとしての力を大きくしなければ、世界と渡り合うことは叶わない。河村は、そんな思いを抱いているのではないだろうか。
カタール戦で日本は猛攻を見せ、123得点を記録。カタールを70得点に抑え、ロスター全員が得点を挙げた。
先に河村のシュートが入らなかったと書いたが、そもそも試投数自体が少なかった。フィールドゴールの試投数は、サウジアラビア戦では8本、カタール戦ではわずか4本。相手から厳しくマークされていた面もあったにせよ、司令塔の河村が周囲を巻き込みながらプレーしていた証左だと言える。
「今回、シュートアテンプト(試投数)は4本でしたけど、それでも100点ゲームをしっかりできた。一人ひとりがしっかりと点を取ったり、役割を担ったりして、結果が出た試合だったと思うので、これからも続けていきたいです」
カタール戦後、河村がこう話したことからも、それは伝わってくる。
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