パリオリンピック男子バスケ 日本はフランスに惜敗もブラジル戦に大きな布石「武器はスピード」【原修太の視点】 (3ページ目)

  • 牧野 豊●取材・文 text by Makino Yutaka

【ブラジル戦も40分間、自分たちのスタイルを】

 フランスはNBA経験者8人にユーロリーグの強豪でプレーする選手がずらりとそろったチームです。そういうチームと伍す、しかも今回は10回試合して1回勝てるかどうかではなく、5回に1回、3回に1回の確率で勝てるくらいのチーム力を感じさせる内容でした。

 選手たちは直前まで勝利が見えていたぶん、ショックもあると思いますが、日本が目指しているのはベスト8。次に勝つことでスタートラインに立つチャンスが出てくる。だからフランス戦も延長で8点差をつけられたあとにもしっかり差を詰められたと思います(予選リーググループBは得失点差では日本が-24、ブラジルが-25)。

 正直、何の心配もしていません。油断とかではなく、今の日本はそれだけの実力がついてきています。

 ブラジルも日本と同じ0勝2敗で次戦を迎えます。世界最終予選を勝ち上がってきたチームですし、Bリーグでもプレーするレオナルド・メンデル選手をはじめ、シュートタッチのいい選手が多く、全員バスケットを展開します。

 もっとも日本は、初戦のドイツ戦ではほんの数プレーを除いた40分間、フランス戦ではさらに内容面も含めて40分間、自分たちのスタイルを貫けたと思います。これまで80分間、自分たちのバスケットを継続しているので、あと40分間、みんなで続けていくだけだと思います。

 ブラジル戦は勝ってほしい、ではなく、勝ちます!

【Profile】原修太(はら・しゅうた)/1993年12月17日生まれ、千葉県出身。市立習志野高→国士舘大→千葉ジェッツ。身長187cm、体重97kg。高校までは全国大会で目立った活躍はなかったが、大学入学後から徐々に才能を開花しシューターとして活躍。大学卒業後に千葉ジェッツに入団すると、プロ2年目の2016-17シーズンから徐々に出場機会を増やし、3年目からはチームの主力に定着。これまでBリーグ優勝1回、天皇杯優勝4回、2022-23シーズンはリーグのベストディフェンダー賞、ベスト5に選出される。2023年夏のワールドカップでは日本代表としてパリ五輪出場権獲得に貢献し、パリ五輪日本代表候補に名を連ねた。

著者プロフィール

  • 牧野 豊

    牧野 豊 (まきの・ゆたか)

    1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「Jr.バスケットボール・マガジン」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。229月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。

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