パリオリンピック男子バスケ日本代表トム・ホーバスHCは熱弁した「まだベストのバスケットボールを全然していない!」 (5ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko

【世界で一番速いペースのチームを作りたい】

── 日本としては、チームで対抗することが重要でしょうか?

「(重要なのは)チームです。今回はルイが入るから、5番はジョシュ。そこはすごい自信がある。4番もルイがいるから、すごい自信がある。で、3番はフランツ・バグナーと雄太ですごく面白いマッチアップになる」

── フランスは216cmのルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ/C)や224cmビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ/PF)など、サイズがあるチームです。

「ウェンバンヤマみたいな(規格外の)選手はルイ以外にマッチアップしたことがないから、そこばかりは考えていない。昨年のワールドカップでフランスはあまり調子がよくなかったけど、今年はハングリーなチームになったかもしれない。それにホームでの試合だし。だから、すごく熱いと思う。でも、まずは(初戦の)ドイツのことを考えています」

── 初戦が大事ということでしょうか?

「僕は、そういう人です」

── 最後に、今年のチームは何が一番の強みで、どういう戦いをしたら勝てるでしょうか?

「世界で一番速い展開、速いペースのチームを作りたい。3ポイントシューティングが当たれば大きいですけど、ルイが入ったから、もっともっとインサイドのペイントアタックやフィニッシュもできるかなと思う。そしてアグレッシブなディフェンスのチーム。40分間を通して100パーセントを出したいです」

<了>


【profile】
トム・ホーバス
1967年1月31日生まれ、アメリカ・コロラド州出身。ペンシルベニア大学卒業後、ポルトガルリーグを経て1990年に日本リーグのトヨタ自動車ペイサーズ(現・アルバルク東京)に入団。5度の得点王や2年連続の3ポイント王を獲得して2001年に現役を引退。2017年に女子日本代表HCに就任し、東京五輪では日本史上初の銀メダル獲得に導く。2021年から男子日本代表HCに就任し、2023年ワールドカップでは48年ぶりの自力による五輪出場権獲得に貢献した。現役時代のポジション=スモールフォワード。身長203cm。

プロフィール

  • 宮地陽子

    宮地陽子 (みやじ・ようこ)

    スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。

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