富樫勇樹に海外メディアから質問が集中 東アジアスーパーリーグで見たBリーグ人気 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

 8日の試合での富樫のパフォーマンスは、リン兄弟のそうした言葉がまるで予言だったかのようなハイレベルなものだった。富樫はリンらとマッチアップしながら序盤から気合の入ったプレーぶり。事前の試合で利き手の右親指に突き指を負い、この日も黒いテーピングを巻いての出場となったが、ドリブルで相手を振っての3Pシュートや、マークマンに魔法をかけたかのように置き去りにするドライブインプレーを披露。地元フィリピンのファンたちから、会場に大きく響く感嘆の声を何度も浴びていた。

 ふだんの国内の試合とはまた異なるアリーナ内のどよめきは、富樫の耳にも届いていた。

「フィリピンはバスケがすごく人気の国なので、その雰囲気を本当に味わえた試合でしたし、日本と海外では応援の雰囲気も違うので、すごく楽しむことができました」(富樫)

 確かに彼のような選手は、他国になかなかいないのかもしれない。だからこそ、海外においても認知をされているのだろう。

バスケットボール選手としては小柄ながらも圧倒的な存在感を放つ富樫 photo by ©EASLバスケットボール選手としては小柄ながらも圧倒的な存在感を放つ富樫 photo by ©EASLこの記事に関連する写真を見る

【海外メディアから質問が集中】

 EASL出場チームの地域では、とりわけ台湾でBリーグを中心とした日本のバスケットボールが人気のようで、台湾の関係者に話を聞くと富樫、河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)、比江島慎、田臥勇太(ともに宇都宮ブレックス)が人気であるとのことだ。比江島を除いた3人はいずれも、身長が低い点が共通しているのは偶然ではないだろう。

 台湾にはBリーグの公式インスタグラムアカウントもあり、上記の選手らの動画は何十万もの再生数を記録していることが人気の一端を表わしている。

 また、8日のニュータイペイ戦後の会見では、日本以外のメディアから富樫へ向けて以下のような質問が次々と出た。

「厳しいスケジュールにも関わらず疲れ知らずのプレーができた秘訣は何か――」

「初めてあなたのプレーを見て本当に驚いた。なぜそれほどまでにうまくプレーできるのか――」

「フィリピンでのファンからの歓待をどう感じたか――」

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