井上雄彦×渡邊雄太スペシャル対談02 コミックス31巻と渡邊少年の『SLAM DUNK』秘話 (2ページ目)

  • 伊藤 亮●取材・文 text by Ito Ryo
  • 細野晋司●撮影 photo by Hosono Shinji

井上 そのツイートを見て、映画のスタッフに「絶対に渡邊雄太が帰国するまで上映するぞ」って(笑)。「最長でもNBAファイナルが終わる6月を過ぎたら帰国すると思うから」と言い続けて。それを目標に頑張ってきました(笑)。

渡邊 何回もつぶやいてよかったです(笑)。

井上 ありがとうございます。(映画スタッフ)みんなの士気が上がりました。

渡邊 結局、映画はアメリカでも公開されるのでしたっけ?

井上 アメリカではこの夏から。

渡邊 映画の前情報は──もちろん山王戦が描かれているといったことは知っていましたけど──ほとんど入れずに見に行きました。山王戦なんて何度も(コミックスで)読んでいますし、全シーン覚えているくらいなんですが、あらためて新鮮な気持ちで見ました。

 リョーちん(宮城リョータ)にあんな過去があったなんて知りもしないことでしたし、あんな過去を乗り越えて、あのようなプレーヤーに成長していったりだとか、いろいろ......。今まで漫画で読んだことのなかった部分も知れて、映画鑑賞中はすごく幸せな時間でした。

井上 ありがとうございます。

渡邊 僕は映画を見て泣くようなタイプではないので、どちらかというとプレーの臨場感といいますか、セットプレーなども細かくこだわっていて。本当にちゃんとバスケットの試合を見ている感じでした。

 だから、途中からはそういう(プレーヤーの)目で見ていたりもしました。一方で観客席を見れば、魚住(純)がドーンと座っていたりとか。

井上 気づいた(笑)?

渡邊 最初、魚住以外は見つけられなくて。ツイートしたら「魚住以外にもこんな人がいましたよ」という反応があり、全然見つけられなかったと悔やんだんですけど(笑)。

 魚住だけは最初、あぐらをかいてベンチの真裏で座ってるシーンと、おそらく原作では「かつらむき」をしてセキュリティに移動させられたあと、別の場所で座って見てるシーンまではバッチリ見つけられました。

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