レブロンとジョーダン、「史上最高のNBAプレーヤー」議論は増加。最多得点記録トップ10の顔ぶれに見る「キング」の偉大さ (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

【通算アシスト数でも歴代4位】

 歴代最多得点記録のトップ10を見ると、錚々たるスコアラーが名を連ねている。

【歴代最多得点記録ランキング トップ10(2023年2月7日時点)】

1.レブロン・ジェームズ      3万8390得点

2.カリーム・アブドゥル=ジャバー 3万8387得点

3.カール・マローン        3万6928得点        

4.コービー・ブライアント     3万3643得点

5.マイケル・ジョーダン      3万2292得点

6.ダーク・ノビツキー       3万1560得点

7.ウィルト・チェンバレン     3万1419得点

8.シャキール・オニール      2万8596得点

9.カーメロ・アンソニー      2万8289得点

10.モーゼス・マローン       2万7409得点

 特筆すべきは、もともとレブロンはスコアリングに特化した選手ではなく、このリストにいるスーパースターたちとは一線を画していることだ。

 今回の得点記録更新に先駆けて、1月31日のニューヨーク・ニックス戦ではマーク・ジャクソン、スティーブ・ナッシュといった名ポイントガードを抜き去り、通算アシスト数でも歴代4位に浮上。さらに上位には、ジョン・ストックトン、ジェイソン・キッド、クリス・ポールという歴史的なパサーがいるため、この記録はそこまで話題にはならなかった。それでも試合後、レイカーズのダービン・ハムHCが残した言葉は胸に響くものだった。

「過去20年にわたり、ラストショットを打たないことがあることや、『パスをしすぎだ』と批判されることはあっても、レブロンは常に"正しいプレー"を続けてきた。だからこそ、彼は歴史的な選手なんだ」

 レブロンは安定した形で高得点を稼いできたが、NBAのキャリア初期には周囲の選手たちを"巻き込む"ことのほうに大きな喜びを見出している印象が強かった。ハムHCの言葉通り、ゲーム終盤でも自らのシュートで勝負を決めにいくより、ノーマークの選手を見つけることを好む選手と見られるようになった。そういった意味で、レブロンはジョーダンやコービーといった生粋のスコアラーたちとはタイプが違うスーパースターだった。

 キャリア後期もパサーとしての技量は変わらず、2019-20シーズンには平均10.2アシストでアシスト王に輝いた。それほど優れたプレーメイカーであると同時に、年月を重ねるうちにスコアラーとしてもよりハイレベルで安定していった。

 決して得意とは言えなかったジャンプシュートも、キャリア中盤以降に向上。7年目以降の13シーズン中、11シーズンでFG成功率が50%以上(最初の6シーズンはすべて50%以下)だったことがそれを象徴している。

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