八村塁の今後を左右する最重要シーズン。NBAジャパンゲームズで王者ウォリアーズ相手に好スタートを切れるか (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

4年目活躍のカギは?

 今回、ジャパンゲームズの挙行に尽力した経緯を見ても、ウィザーズが八村の堅実な能力と商品価値を高く評価していることは明白。リーグスカウトの話を聞く限り、少なくとも現時点での見立てでは、3年3000〜4000万ドルくらいの条件で八村はウィザーズに残留する可能性が高そうだ。

 ただ、この条件は変わり得る。過去3シーズンで、八村は好調時に平均13得点前後、4~6リバウンド程度が計算できる選手であることを示してきた。今季、心身のコンディションの安定をアピールするとともに、平均得点を15~18得点くらいまで引き上げることができれば、次の契約の基準アップにつながる。

 そのために必要なことのひとつは、昨季に著しく向上したロングジャンパーを引き続き高確率で決め続けることだ。八村も次のように語る。

「3ポイントシュート(3P)は自信がついたのが大きいのでしょう。今夏を通じて、また練習してきました。僕はミッドレンジのプレーが好きですが、3Pを打つことによって、自分が好む場所でシュートを打ったりといったことがより簡単になる。3Pは僕が次の段階に進むのを助けてくれます」

 3P成功率が1年目は28.7%、2年目が32.8%だった八村は、昨季にこの数字を一気に44.7%まで引き上げた。すべてはルーキーシーズンから継続してきた地道な練習のたまもの。最近のフォームの安定を考えれば、今後も40%前後の数字を保っても不思議はない。

 本人の言葉通り、そこに持ち前のミッドレンジのプレーをうまく融合させることができれば"鬼に金棒"。4年目にして、より充実した姿を見せることも可能だろう。クリスタプス・ポルジンギス、カイル・クーズマ、デニ・アブディヤ、ダニエル・ギャフォードなど、今のウィザーズはフロントコートの層が厚い。だが、中・長距離の両方で向上し、スケールアップした八村ならば、その中でも長いプレータイムを得ることができるに違いない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る