八村塁の今後を左右する最重要シーズン。NBAジャパンゲームズで王者ウォリアーズ相手に好スタートを切れるか

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

勝負の「ルーキー契約の最終年」

「ジャパンゲームズは僕がドラフトされてから、ずっと話していたこと。コロナとかもあってできなかったので、今年ここまでこれて、日本のみなさんの前でNBAゲームができるっていうのは僕にとっても嬉しいです。すごい楽しみなことなので、みなさんにも楽しみにしていてほしいです」

 9月23日、ワシントンD.C.で行なわれた"メディアデー"で、ワシントン・ウィザーズの八村塁が目を輝かせて述べた言葉が印象的だった。

ジャパンゲームズのため、日本行きの飛行機に乗り込む八村ジャパンゲームズのため、日本行きの飛行機に乗り込む八村この記事に関連する写真を見る ジャパンゲームズは2019年6月、八村がドラフトされた瞬間からの懸案だった。時は流れ、背番号8がNBAでの4年目を迎えた2022年。悲願のイベントはついに、さいたまスーパーアリーナで2試合(9月30日、10月2日)行なわれることになったのである。

 ウィザーズの対戦相手は、昨季王者のゴールデンステイト・ウォリアーズとあって、ファンにとっては見逃せない2戦だ。"非公式ホスト"の役割を託される八村がジャパンゲームズの主役のひとりであることは言うまでもない。期間中、八村はウィザーズのメンバーのガイド役を務め、さまざまな形で公の場にも登場する。そしてこのイベントを皮切りに、八村にとって極めて重要な意味を持つNBAシーズンがスタートを切る。

 過去3シーズン、まずまずの成績を残してきた八村は今季、ルーキー契約の最終年を迎える。来夏には制限付きFAの権利を得て、複数年の中〜大型契約が視野に入ってくる。そこでの年数、金額は今季の働きによって変わってくるだけに、当然モチベーションは高いはずだ。

「(今夏が)人生で初めてのオフシーズンでした。自分自身のことに集中し、練習もできた。コーチと一緒(に練習し)で、チームともコミュニケーションをとり、次のシーズンに向けていいオフシーズンが過ごせました」

 メディアデーの席でそう述べていた八村の表情を見る限り、"個人的な理由"でチーム合流が遅れた1年前と比べて、コンディションは格段によさそうだ。ようやく休息を手にし、心身ともにリフレッシュできたのだろう。だとすれば、早い段階から鋭いプレーが十分に期待でき、そのことが自身の契約にも密接に結びついてくることになるかもしれない。

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