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トム・ホーバスHCと車いすバスケ鳥海連志が語る、パリオリ・パラに向けた日本代表にふさわしいメンタル強化 (3ページ目)

  • 三上太●取材・文 text by Mikami Futoshi
  • photo by Murakami Shogo

東京五輪後、バスケ男子日本代表のHCに就任したトム・ホーバスHC東京五輪後、バスケ男子日本代表のHCに就任したトム・ホーバスHC――パリパラリンピックでは、東京のひとつ上、金メダルを目指しますか?

鳥海 目指しますよ。

ホーバス 私はまだ考え中です。まずはパリオリンピックに出場したいです。

――こうしてカテゴリーや立場の違いを超えて刺激し合える仲間が増えるのはすごくいいことですね。

ホーバス 間違いないですよ。バスケットボール、車いすバスケットボール、柔道......競技は関係ありません。しかも彼はパラリンピックの銀メダリストですよ。勝った人です。一生彼はメダリストです。その事実は誰にも変えられないものです。私もメダリストです......ただメダルは持ってないですけど(笑)。

鳥海 そうなんですよね、コーチにはメダルがないんですよね(笑)。

ホーバス はい。でも私はメダルを持ってないけど、女子日本代表の選手たちとともにメダリストです。男子にはまだそれがないんですよ。そこにたどり着きたい。でもまだわからないことが多いんです。どこまで練習したほうがいいのか、どこまでメンタリティが必要なのか、まだわかっていないんです。それも大きなチャレンジです。ただ私はこういうチャレンジが大好きです。55歳になってもまだそういうチャレンジが好きです。鳥海選手は23歳でしょう? まだまだ若いよ。だからチャレンジですよ。でもすごくいいメンタリティを持っています。一緒に頑張りましょう。

鳥海 ありがとうございます。

ホーバス こちらこそありがとうございました。応援しています。

Profile
トム・ホーバス
1967年1月31日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。5歳の時にバスケを始め、大学卒業後、ポルトガルリーグを経て、1990年に日本リーグのトヨタ自動車ペイサーズ(現:アルバルク東京)に入団。5度の得点王や、2年連続の3ポイント王を獲得。2001年の引退。2017年に女子日本代表ヘッドコーチに就任。東京五輪では、日本史上初のオリンピック銀メダル獲得に導いた。現在は男子日本代表ヘッドコーチとして活躍中。

鳥海連志(ちょうかい・れんし)
1999年2月2日生まれ。長崎県出身。(株)WOWOW所属。パラ神奈川S C在籍。生まれつき両手足に障害があり、脛骨が欠損していた両下肢を3歳で切断。中学1年生の時に学校関係者に誘われたのがきっかけで車いすバスケに出会う。2015年に代表に定着すると、2016年、17歳でリオパラに出場を果たした。銀メダルを獲得した2021年東京パラでは大会MVPに選ばれ、次世代を担うエースへと成長した。

「チャレンジング・トム 日本女子バスケを東京五輪銀メダルに導いた魔法の言葉」

東京オリンピックで日本女子バスケをオリンピック史上初の銀メダルに導いたトム・ホーバスHCが教える、力を最大限引き出す方法。
平均身長が出場12カ国で2番目に低い176センチの日本は強豪国を次々と撃破し決勝に進出。「小さくても勝てる」を実践し、世界を驚かせた。
選手を突き動かしたのは、「シンプル」な言葉と、「ロジカル」な戦術と、圧倒的な「パッション」。バスケに関わる人間や男女にかかわらず、人・組織(チーム)を動かし、結果を出すための、本質のとらえ方、思考法を伝授する。
著者/トム・ホーバス
発売日/2022年2月8日
価格/1430円(税込)
出版社/ワニブックス
詳しくはこちら>>


「異なれ 東京パラリンピック車いすバスケ銀メダリストの限界を超える思考」

足りないものを嘆かず、あるもので生きていく。東京パラ車いすバスケ銀メダリスト・鳥海連志が伝えたい、「人と異なる」ことの重要性。
東京2020パラリンピック車いすバスケットボールでMVPを獲得した日本代表のスピードスター・鳥海連志が、過去の自分、現在の自分と向き合い、ありのままをつづる。
22年間という、決して長くはないけれど、誰よりも濃い人生を送ってきた鳥海が語る言葉の数々は、これからも長い人生を生きるわれわれにとって、ちょっとしたヒントとなるかもしれません。
著者/鳥海連志
発売日/2022年2月28日
価格/1430円(税込)
出版社/ワニブックス
詳しくはこちら>>

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