渡邊雄太、八村塁の今季の活躍は? NBAイースタンはビッグ3の一角が欠けたネッツに黄信号 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 一方、ここ2年でウィザーズの主力に定着した八村は、3年目のスタートが遅れている。9月27日、NBA の各チームでほぼ一斉に催されたメディアデイを"個人的な事情"を理由に欠席。以降、トレーニングキャンプにも合流できず、4戦のプレシーズン戦はすべて欠場した。

 10月10日、八村がワシントンDCに到着したことをNBCスポーツ電子版が報じたが、今はまだ個人練習でコンディションを整えている段階。NBAでの3シーズン目にして、初めて開幕戦の出場は叶わなかった。

 それでも、今季からウィザーズの指揮を執るウェス・アンセルド Jr.HCは、八村の状況を理解し、焦らずに取り組んでいくことの大切さを強調している。

「じっくりと様子を見ていきたい。彼が万全な時に復帰すればいいと思っている。もっとも大事なのは復帰に向けて時間をかけること。他の選手にも言えることだが、ブレずに取り組むことだ」

 昨季まではラッセル ・ウェストブルック、ブラッドリー・ビールという2人のガードが絶対的存在だったウィザーズだが、オフにウェストブルックがトレードされ、チームは大きく変わった。昨季までは層が薄かったウィザーズのウィングには、カイル・クーズマ、ダービス・ベルターンス、ケンテイビアス・コルドウェル ポープ、デニ・アブディヤ、新人のコーリー・キスパートらが揃ったという背景もあって、復帰後も八村のスタメンの座はもう安泰ではあるまい。

 ただ、何よりも大事なのは、八村自身が最高のコンディションを作っていくことだ。それさえできれば、遅れは取り戻せるはず。波乱のスタートになった八村の2020~21シーズンが、徐々に、少しずつでもいい方向に進んでいくことを願いたい。

 そのほかの今季のイースタン・カンファレンスの見どころとしては、やはりスーパースター軍団を中心とした優勝争いになる。

 開幕前の時点でもっとも評判がよかったのは、ケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービングという"ビッグ3"が、トリオ結成2年目を迎えたブルックリン・ネッツだった。昨季は多くのケガ人を出しながら、のちにファイナルを制することになるミルウォーキー・バックスとプレーオフの第2ラウンドで死闘を演じた。シリーズ最終戦で敗れはしたものの、ポテンシャルの高さを印象づけたと言っていい。

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