田臥勇太40歳。身体は動かず、できないことも増加。では、どうする? (2ページ目)
もちろん、手術がパフォーマンスにどう影響するかは未知数だった。それでも、田臥は術後すぐに手術を受けたことが間違いでなかったと確信したという。
「手術前は『また痛みなく、バスケができるようになればいいな』ということだけを考えていました。術後、初めて歩いた時、それまで感じていたひざの痛みがなくなっていたんです」
痛みが消えたひざを見つめ、田臥の口から思わず誰に向けてか、もしかしたらバスケの神様に向けたのかもしれない言葉があふれる。
「ありがとうございます」
春先、練習に合流することはできた。ただ、練習の翌日にひざが腫れることも時折あった。ひざの手術が初めてだった田臥は、その腫れが痛みの再発につながらないかだけが気がかりだったという。
「幸い、チームメイトや知り合いにひざを怪我した経験のある人が何人かいたので、いろいろ話を聞くことができました。中澤(佑二/元サッカー日本代表DF)さんも、そのなかのひとりです。
中澤さんも引退間際の時期にひざのケガをしてしまい、復帰まで大変だったこと。思うように動くようなるまで若い時と違って時間がかかった、という話をしていただけたので、年齢を考え、状態に一喜一憂せず多くのことを受け入れてやっていかないとダメだなって」
そして田臥は、従来のストレッチ、アイシング、マッサージなどに加え、より身体をケアするために、ヨガを生活に取り入れるようになった。
「ひざに負担がかかってケガにつながったのは、ほかの関節が硬かったり、動かし方がよくなかったからなんです。だから、ケガをした箇所だけじゃなく、ほかもメンテナンスしなければいけない。そこで始めたことのひとつがヨガでした。
ヨガを朝、練習前後、夜にやっています。明らかに、やるとやらないでは体調が違いますね。もちろん、選手によりけりなんでしょうが、僕の場合は年を取るとドンドンやらなければいけないことが増えていきますね(笑)」
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