八村塁ら最強日本が挑むバスケW杯。強豪国にも「勝負」できる形はある (2ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 Big3が揃ったといっても世界は強い。これまでの日本は、W杯でグループラウンドを突破したこともなければ、ヨーロッパ勢に勝利したこともない。もっと言えば、世界大会そのものに出場した経験も極めて少ない。

 近年では、16年にオリンピック最終予選に出ただけで、それ以前のW杯では自国開催の2006年と、自力で出場権を得た大会となれば、98年まで遡らなければならない。オリンピックに至っては76年のモントリオール以来、東京まで44年間も出場していない。ラマスHCが掲げるヨーロッパ勢から1勝をあげることは、切実で現実的な目標なのである。

 本番前に国内で行なった強化試合の結果は2勝3敗。ニュージーランド(38位)と2戦、アルゼンチン(5位)、ドイツ(22位)、チュニジア(51位)と戦った。

 その中でニュージーランドとの2戦目とアルゼンチン戦では、終盤に失速して100点越えの失点で負けた。この2試合を振り返って八村が「経験が足りなかった」と言うように、強豪国は勝負どころで一気にディフェンスの強度を上げてくるが、日本はそのギアチェンジについていけなかったのだ。

 以前、06年大会で日本率いたジェリコ・パブリセヴィッチHCは「予選ラウンドを突破するには奇跡が必要」と言っていたが、ラマスHCも同様に「グッドゲームではヨーロッパ勢に勝てない。エクセレントかそれ以上、限界まで出さなければ勝てない」と話す。これが自力出場から21年も遠ざかった国の現在地だ。

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