2019.08.31

八村塁ら最強日本が挑むバスケW杯。
強豪国にも「勝負」できる形はある

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 いよいよ、バスケットボールのワールドカップ(以下、W杯)が8月31日から中国で開幕する。日本は自国開催だった2006年以来13年ぶりの出場だ。

直前に国内で行なった強化試合を経て、13年ぶりのW杯に臨む 今回のW杯は、新時代の幕開けの大会となる。FIBA(国際バスケットボール連盟)は、世界的に競技人口が多いバスケットボールをさらに発展させるべく、今大会から大幅な改革に取り組んだ。話題性を重視して、サッカーW杯との同年開催を避けて会期を1年遅らせ、大会規模をこれまでの24から32カ国に拡大した。予選もサッカーW杯と同様に、ホーム&アウェーにすることで自国のファンが代表チームを応援できるように、普及にも力を入れた。

 現在FIBAランキング48位の日本は、オリンピックの開催国枠を得るため、世界の舞台を経験するためにも、今回のW杯には何としても出場しなければならず、大会システムの変更に伴い、みずからも変わる好機と捉えて準備を進めていった。シーズン中でも強化合宿を繰り返し行ない、アメリカでプレーしていた八村塁や渡邊雄太の招集に全力を注ぎ、210cmのニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)の帰化を実現させ、できるかぎりのベストメンバーを揃えて予選を乗り切った。

 1年3カ月という長い予選では、すべての期間に万全な状態で臨めない国も多かった。そんな中で日本は、競技力の成長もさることながら、バスケットボール界挙げての総力が実を結び、4連敗からの8連勝という奇跡を起こした。

 日本のバスケットボールは今、急激な成長期を迎えている。その要因は、NBAドラフト一巡目9位でワシントン・ウィザーズから指名を受けた八村、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結ぶ渡邊、NBA経験を持つファジーカスら”Big3”の参戦により、今までにない高さと戦力が揃ったからだ。「過去最強」といえる日本代表は、W杯でどこまで戦えるのか。

 同グループのトルコ(FIBA世界ランキング17位)、チェコ(24位)、アメリカ(1位)は、いずれも日本より格上で、ヨーロッパのリーグやNBAで戦う選手を揃える強豪国ばかりだ。4チーム中、上位2チームに入ることで2次ラウンドに進出できるが(下位2チームは17~32位決定戦に回る)、現実的な目標として選手たちは「グループ1次ラウンド突破」を掲げる。フリオ・ラマスヘッドコーチ(以下HC)は、さらに堅実な「まずヨーロッパ勢に1勝をあげること」だと言う。