八村塁の開幕スタメンはありか。現地記者「放り込むべきではない」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 八村はサマーリーグでの4戦で平均19.3得点、7.0リバウンドという数字を残し、ファンや関係者を安心させた。ポテンシャルも高く評価されており、トレーニングキャンプ、プレシーズン戦の仕上がり次第では、開幕スタメンを任されても不思議はない。

 しかし一方で、冷静な声が多いのも事実だ。米スポーツサイト『The Athletic』のウィザーズ番記者であるフレッド・カッツは、PFのスタメンをこう予想する。

「おそらくウィザーズは、ベルターンスをPFの1番手に据えて開幕に臨むだろう。八村もプレーする機会はあるだろうが、彼をいきなり難しい状況に放り込むべきではない。そもそも、昨シーズンの制限区域(Restrickted Area)でのFG成功率がリーグ最高だったブライアントの隣でプレーする選手として、ベルターンス以上に適したPFはいないかもしれない」

 ラトビア人のベルターンスは、昨シーズンはサンアントニオ・スパーズの一員として76試合(スタメン12戦)に出場し、平均8.0得点、3.5リバウンドを挙げた。目を引く数字ではないと思われるかもしれないが、特筆すべきは3ポイントシュートの成功率が42.9%だったこと。これはフォワードの全選手の中で2位の高確率であり、特にコーナーからの3ポイントは60 %という驚異の高さだった。

 ベルターンスのハイレベルのシュート力は、オールラウンダーのビール、インサイドの軸になるブライアント、突破力のあるトーマスらのプレースタイルとうまくフィットするだろう。だとすれば、NBAで4年目を迎える26歳の"ストレッチ4(相手チームのディフェンスを広げ、攻撃スペースを作るPF)"に、まずはスタメンを任せるのも悪くない。

 八村の素質は誰もが認めているものの、NBAレベルでのロングシュート、ディフェンス面でも不安は残っている。シーズン当初はプロの水に慣れ、その不安を解消していくことが先決。そのためにも、先ほどのカッツ記者の言葉どおり、しばらくはセカンドユニット(控えメンバー)の一員として起用されたほうがのびのびと動けるように思える。

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