ジョーダン並みの得点記録なのにハーデンはなぜ不人気なのか (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ハーデンが"次の段階"に進むには何が必要なのだろうか。このまま爆発的な活躍を続ければ2年連続MVP受賞も有望だが、それだけでは十分ではあるまい。重要なのは、やはり勝利の経験に違いない。 

「バスケットボールプレイヤーになったからには優勝したいし、個人の偉業も成し遂げたい。チェンバレン、ジョーダンといったもっとも偉大と目されているスーパースターたちと同列に名前を連ねたい」

 ニューヨーク滞在中にハーデンはそう述べていたが、その名声をさらに高めるために必要なのが"チームの成功"であることは誰の目にも明らかだ。

 本来であれば、ハーデンとロケッツは昨季のファイナルに進んでいてもおかしくはなかった。シーズン中にチーム新記録となる65勝を挙げ、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルでも、一時は王者ウォリアーズを相手に3勝2敗とリード。しかし、司令塔クリス・ポールがシリーズ第5戦でハムストリングを痛め、離脱を余儀なくされると流れが変わった。

 その後の2試合で連敗し、ロケッツは悔やみきれない形で終戦。「ポールさえ健在ならば」という悔恨とともに、相棒の離脱後にチームを救えなかったハーデンへの風当たりが強くなった感もあった。

 そんな悔しいシーズンを終えて、ロケッツは今季もウォリアーズの対抗馬のひとつとみなされている。ただ、トレバー・アリーザ、ルーク・バー・ア・ムーテのような名脇役が抜け、総合力はダウン。ポールも再び故障に苦しんでいる状況下で、今後もハーデンの働きがこれまで以上に必要になってくることは間違いない。

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