渡邊雄太と八村塁が挑んだ11日間。2人の融合で崖っぷちから前進

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayosi Yoko

「僕と塁が入って負けは許されない」(渡邊)

「僕たちがリーダーシップを発揮していきたい」(八村)

 渡邊雄太23歳、八村塁20歳――。アメリカで活動する2人の若者は、ワールドカップ2次予選Window4に参戦する抱負を聞かれると、決まってこう答えていた。

日本代表で活躍する渡邊雄太と八村塁。アメリカでの活躍にも期待がかかる日本代表で活躍する渡邊雄太と八村塁。アメリカでの活躍にも期待がかかる

 渡邊はこの夏にNBAのメンフィス・グリズリーズとの2ウェイ契約()を結び、八村は強豪ゴンザガ大で主力を務め、NBAドラフト候補とされる選手である。そんな日本を背負って立つ2人の初共演となった負けられない戦いは、9月13日にアウェーでカザフスタンを85-70、17日にホームの東京にて、イランを70-56で下して勝利。どん底だった4連敗からの4連勝を飾り、順位をグループ5位から4位に引き上げた。アジアに7枠ある出場権獲得に向けて『崖っぷち』であることに変わりはないが、一歩前進して希望をつないでいる状況である。

※NBAチームの傘下にあるGリーグでプレーしながら、最大45日間だけNBAのロスターに登録が可能な制度

 この夏、2人は約束を交わしていた。

「7月のWindow3が終わってすぐに塁と連絡を取り、『一緒にWindow4に出よう』と約束しました。塁は試合に出るために学業を疎かにできないし、僕はグリズリーズのルーキーなので後れは取れない状況だったのですが、今まで日本代表に参加できなかったので、参加できるときは日本のためにプレーしたいという思いがありました。塁とはじめてプレーをして、それはもう、めっちゃ楽しかったです」(渡邊)

「雄太さんとは夏の間に連絡を取り合って『日本代表で一緒にプレーしよう』と言い合っていました。次の予選はお互いにシーズンが始まってしまうから、ここしかチャンスがなかった。実現できてうれしいし、本当に楽しかったです」(八村)

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