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延岡学園バスケ暴行事件。
単純ではないアフリカ留学生の「光と陰」 (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 よほど全国から優秀な日本人中学生を多数スカウトできる高校以外は、留学生に対抗するには留学生というのが現実だろう。

 一方、日本人選手が高校時代から200cmを超すビッグマンと対戦できることが、技術の向上には著しく貢献していることも紛れもない事実だ。

 ただ、留学生の待遇は高校により、かなり差があることも否めない。高校バスケ関係者によれば、学校生活のみならず、私生活から厳しく管理する高校もあれば、日本語がわからないため、授業にほとんど出席しない状態を黙認する高校もあるという。

 また、チームの大黒柱でもある留学生に気分よくプレーさせようと、厳しく指導しない指導者や、そもそも留学生の育成ノウハウを持たない指導者もいる。報道されないだけで、過去には暴力事件や対戦相手に唾を吐くなどの行為もあった。

 留学生の存在は、当然、メリットとデメリットが存在する。まずは、長年目を背け続けてきた、学校ごとに差のある外国人留学生の待遇改善が急務だろう。

 ちなみに、延岡学園は2011年に高校3冠を達成しているが、2012年に監督が交代している。2013年以降は全国大会に出場することはあっても、成績は下降していた。

 ある高校の指導者に話を聞くと、こんな話をしてくれた。

「今はアフリカ人の選手だからといって、貧しい家庭出身とは限りません。裕福な家庭な子で、アメリカやヨーロッパへ留学する感覚で日本に留学している生徒も多い。母国語、フランス語だけでなく、英語も話せ、すぐに日本語も覚える留学生もいれば、最後まで覚えられない留学生もいる。当然、真面目な選手も、不真面目な選手もいる。アフリカ出身だからといって、ステレオタイプにひと括(くく)りにすることはできません」

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