過去7年すべてNBAファイナル進出。レブロンの神話はまだ続くのか (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 歴史を紐解けば、カンファレンス・セミファイナルの対戦ではあるが、2008年・2010年とレブロン率いるキャブスをプレーオフで葬ったのはセルティックスだった。さらにいえば、2010年の敗退後、FAになったレブロンはヒートへ移籍している。ちょうど今夏、レブロンがFAとなるのとも重なる。いつの時代も歴史を変えるのは、勢いに乗った恐れを知らない若者たちなのかもしれない。

 歴史は繰り返されるのか、それともレブロンのカンファレンス・ファイナル不敗神話が継続するのか――。まずは、勝敗を大きく左右するレブロンとテイタムのマッチアップを凝視したい。

ヒューストン・ロケッツ(65勝17敗/1位)
vs.
ゴールデンステート・ウォリアーズ(58勝24敗/2位)

 これが"事実上のファイナル"と思っているファンも多いだろう。

 キャブスとセルティックス、東からどちらが勝ち上がるにしろ、西の覇者となったチームの引き立て役に終わる可能性がかなり高いと言わざるを得ない。

 今季リーグ最多の65勝を記録したロケッツ。対する昨年の覇者ウォリアーズは58勝止まりで水をあけられたかっこうだが、レギュラーシーズン82試合中、エースのステファン・カリー(PG)は51試合しか出場しておらず、数字ほどチーム力に差があるようには思えない。プレーオフに入り、両チームともに1回戦のファーストラウンド、2回戦のカンファレンス・セミファイナルを4勝1敗で勝ち上がり好調を維持。このシリーズの勝敗予想は困難を極める。

 この2強の対決に、リーグ関係者も熱い視線を送っているはず。ロケッツのジェームズ・ハーデン(SG)とクリント・カペラ(C)によるピック&ロールから始まるオフェンスを止められるチームは、シーズンを通して現れなかった。ハーデンのドライブを止めようとすれば、カペラにアリウープパスを通され、それを阻止しようとディフェンスを内に絞れば、外で待ち受けるエリック・ゴードン(SG)やトレバー・アリーザ(SF)らのスリーポイント(3P)の餌食になる。

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