NBAプレーオフ、西はついにロケッツがウォリアーズに代わり本命に (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

ポートランド・トレイルブレイザーズ(3位/49勝33敗)
vs.
ニューオーリンズ・ペリカンズ(6位/48勝34敗)

 レギュラーシーズン82試合の戦いを終え、ウェスタンはロケッツとウォリアーズの2強が頭ひとつ抜け、それに続く3位から8位までは「ゲーム差2」という僅差のなかにひしめき合った。つまり、シード3位以下の実力差はほぼないと見ていいだろう。

 3位のトレイルブレイザーズは、デイミアン・リラード(PG)とC・J・マッカラム(SG)がチームを牽引し、堅守を売りにするチームだ。今季はリーグ5位の1試合平均103.0失点に抑えている。

 対するペリカンズは、デマーカス・カズンズ(C)の左足アキレス腱断裂による戦線離脱は痛手だが、新加入のレイジョン・ロンド(PG)のアシストパスが冴えわたっている。昨年12月27日の対ネッツ戦では球団新記録となる1試合25アシストを記録。エースのアンソニー・デイビス(PF)とのコンビネーションも1シーズンをともにプレーしたことで、いよいよ成熟の域に達した感がある。

 レギュラーシーズンの対戦成績は2勝2敗の五分で、どちらが勝つか予想は難しい。しかし、トレイルブレイザーズはレギュラーシーズンの勝率が59.8%だが、ホームでの試合に限ると勝率は68.2%まで跳ね上がる。ホームコートアドバンテージを持つトレイルブレイザーズがわずかに有利か?

オクラホマシティ・サンダー(4位/48勝34敗)
vs.
ユタ・ジャズ(5位/48勝34敗)

 平均25.4得点・10.1リバウンド・10.3アシスト――。サンダーのエース、ラッセル・ウエストブルック(PG)が史上初となる2年連続シーズントリプルダブルを達成した。この記録は掛け値なく偉大だ。

 今季のサンダーの課題は、ウエストブルックひとりに偏るのではなく、「新しく加わったポール・ジョージ(SF)とカーメロ・アンソニー(PF)の3人でいかにボールをシェアするか」だった。そしてレギュラーシーズンを戦った結果、ウエストブルックが数字で「真のエースは誰か?」を証明し、自ずとファーストオプションはウエストブルック、次がジョージ、そしてカーメロという序列となった。スター軍団は内紛を起こすことなく、プレーオフを迎えている。

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