NBAプレーオフ、西はついにロケッツがウォリアーズに代わり本命に (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 レギュラーシーズンの対戦成績はロケッツの4勝0敗。ロケッツが誇るハーデン&クリス・ポール(PG)のバックコートコンビの前に、ウルブズはなす術(すべ)がない状態だった。一縷(いちる)の望みを託すのなら、3月に新加入したデリック・ローズ(PG)の爆発だろうか。シカゴ・ブルズ時代の恩師であるトム・シボドー・ヘッドコーチのもと、輝きを取り戻しつつあるローズの活躍次第では......。

ゴールデンステート・ウォリアーズ(2位/58勝24敗)
vs.
サンアントニオ・スパーズ(7位/47勝35敗)

 昨季はレギュラーシーズンでリーグ首位、さらにはプレーオフでも16勝1敗という圧倒的な強さでNBA制覇を果たしたウォリアーズ。今季も戦力は変わらず「圧勝劇ふたたび」かと思いきや、主力に故障が相次いで勝ち星を量産することはできなかった。

 しかも、エースのステファン・カリー(PG)は左ひざを故障中で、ファーストラウンドの出場が危ぶまれている。もちろん、ケビン・デュラント(SF)、クレイ・トンプソン(SG)、ドレイモンド・グリーン(PF)を擁し、カリーが不在でも他チームからすれば贅沢な布陣であることは変わりない。

 成功率の高いインサイドを中心に攻めるチームスタイルでないにもかかわらず、ウォリアーズのフィールドゴール成功率は50.3%。リーグで唯一5割を超えている。この数字はチームとしての成熟度を表していると言ってもいいだろう。

 対戦相手はスパーズ。数年前ならカンファレンス・ファイナルでもおかしくない顔合わせだ。しかし、現在のスパーズに往年の輝きはない。エースのカワイ・レナード(SF)が右足の故障で今季わずか9試合しか出場できず、現在も復帰時期は未定だ。

 それでもスパーズは、ユタ・ジャズと並んでリーグ最少となる1試合平均99.8失点の守備力を誇る。リーグ最高のウォリアーズオフェンスにどこまで対抗できるか......。スパーズの踏ん張りに期待しつつも、カリー抜きのウォリアーズがセカンドラウンドに駒を進めそうな雰囲気が漂っている。

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