期限ぎりぎりのNBA電撃トレード。不調キャブスがギャンブルに出た! (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

「あなたが僕の髪型を好きになる必要はないし、どんな意見を持とうがあなたの自由だ。僕は頭をドレッドにして、あなたは漢字のタトゥーを入れている。僕はそれがすごくうれしい。なぜなら、それはリスペクトの証(あかし)だと思うから。あなたがネッツ、そしてバスケットボールのためにしてくれたことには感謝している。子どものころ、僕はあなたのポスターを部屋に飾っていたんだ」

 マーティンの腕には、孔子が言ったとされる『患得患失』という文字がタトゥーされている。さらにリンは、こんな手記を発表した。

「僕のドレッドヘアについての考え方はおかしいのかもしれない。だけどこれが、違いについて対話するキッカケになればと思う。僕たちに必要なのは、批判的な見方を減らし、共感と思いやりの心を増やすことだ」

(3)バックス予想外の低迷でジェイソン・キッドHC衝撃解任

 2013年に現役を引退し、2014年からミルウォーキー・バックスのヘッドコーチ(HC)に就任していたジェイソン・キッドが1月23日、その職を解任された。

 今季のバックスは「勝負の年」だ。オールスターのファン投票で最終的にはレブロン・ジェームズ(SF/キャブス)にトップの座を譲ったものの、中間発表時点で最多投票を獲得してリーグの顔的存在になったヤニス・アデトクンボ(PF)を擁し、昨年11月には得点力の高いエリック・ブレッドソー(PG)も獲得。今季のバックスはプレーオフ出場どころか、上位進出も期待されるチームだった。

 ところが、チームはなかなかエンジンがかからず、1月になってもプレーオフ出場のボーダーラインである8位前後を行ったり来たり。そんな不甲斐ない状況に、首脳陣やファンが苛立ちの矛先を向けたのが、チームを率いるキッドHCだった。ゲーム終盤にキッドHCが選択したプレーや選手の起用法などに批判が集中し、首脳陣は手遅れになる前にと解任を決断した。

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