「闘う集団」川崎か、「あきらめない」栃木か。Bリーグ初代王者は? (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by (C)B.LEAGUE

「逆転に向けて、どう試合を展開していくか、ひたすら考えていました。誰ひとりあきらめていなかった」

 続くシーホース三河とのセミファイナル第2戦も、栃木はあきらめなかった。第3クォーターを終えて38-57と19点のビハインド。残り10分間での逆転は、もはや絶望的とも思えた。ところが、最後は2点差で敗れたものの、残り2分で栃木は同点に追いつく。そして続けて行なわれた第3戦も、栃木は三河を終始追いかける展開から、残り2秒の逆転劇でファイナルへの勝ち名乗りを上げている。

 試合終了のブザーが鳴るまで、栃木は絶対に勝利をあきらめない。

 栃木のストロングポイントのひとつが、ジェフ・ギブス(PF/C)、渡邉裕規(PG/SG)、熊谷尚也(SF/PF)、須田侑太郎(SG/SF)といったベンチスタートのメンバーが嫌な流れを断ち切るエネルギーを持っていることだろう。なかでも、田臥が「今季の成長が著しく、頼もしい」と名前を挙げるのが熊谷と須田の2選手だ。

 Bリーグのレギュラーシーズンは60試合。かつて国内にあったどのリーグよりも試合数が多い。もちろん選手の疲労も過去最大と言えるが、国内最高レベルの試合を数多く経験することで、これまでならば埋もれたままだった選手のポテンシャルを覚醒させる効果は間違いなくあった。Bリーグ誕生は、選手個々のレベルアップにも確実に貢献している。

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