【国内バスケ】折茂武彦がBリーグを語る。「失敗すれば未来はない」 (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

 折茂はBリーグ開幕を控えた今、「日本バスケの未来には希望しかない」と語る。ただし、同時に、自責の念にも似た想いも抱いている。

「佐古(賢一/現広島ドラゴンフライズ・ヘッドコーチ)と日本代表だったときは、『オリンピックに出たら日本のバスケは変わるよね』って、ずっと話していたんです。代表でヨーロッパに遠征に行くと、よく向こうのチームに声をかけられたりもしたんですが、まったく行く気はなくて。もしヨーロッパで活躍できても、日本バスケ界にとって意味があるとは思えなかったから。バスケを日本でメジャー競技にするには、まずはオリンピックだって、ずっと思っていた」

 現在、渡邊雄太(21歳/ジョージ・ワシントン大)や、ゴンザガ大に進学予定の八村塁(18歳)など、多くの若手が海を渡る時代となった。

「時代のせいにするのは言い訳でしょうが、海外は僕らの時代には早すぎた。僕らの時代、その前の先輩たちの時代は、『海外に出る』と言う発想自体がなかったから。結果論ですが、やっぱり世界に出ていかなければ体感できないこともあるんだと、今なら思います。

 渡邊くんや八村くんの渡米は、素晴らしい挑戦です。以前は、『日本人はガードでなければ海外では通用しない』と言われていましたが、ふたりはフォワードですからね。彼らが日本バスケ界の希望であることは間違いない。ただ、海外という道を切り開いたのは、田臥(勇太/栃木ブレックス)というのも忘れてはいけないことだと思います」

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