【NBA】シンデレラストーリーから1年。ホワイトサイドは本物なのか? (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

「あれは本当に歴史的だった。あれこそ、僕らが求めていたことだ。それも1回だけではなかった。いいプレーをしたときは褒めないとね」と、チームメイトのドウェイン・ウェイド(PG)は言って笑った。

 ホワイトサイドはスタッツなど、目に見える数字に対するこだわりが強い選手だ。数字へのこだわりは、NBAで認められなかった年月の長さからくるものなのかもしれない。高いスタッツを残せば、トライアウトのチャンスをもらえることもあるからだ。

 とはいえ、実際に試合を戦ううえで、スタッツは結果の一部分にすぎない。試合に勝つためにはスタッツ以上に、チームとしてやろうとしていることを理解し、それを遂行できる能力が必要とされる。味方にどれだけいいスクリーンをかけることができるか、自分のマークマンを離れてでも味方のヘルプに出ることができるか......等々。試合に勝つためには、時にはスタッツでマイナスになったとしても、やらなくてはいけないことがある。

 ヒートのチームメイトは折に触れ、ホワイトサイドにそういったことを伝えようとしているようだ。また、ホワイトサイドも少しずつだが、それを理解し始めているようにも見える。スポールストラHCは言う。

「自分がどれだけ(スタッツ以外で)インパクトを与えられるのか、理解してきたようだ。みんなが注目するのは、スタッツとは限らない。彼の存在感に注目しているんだ」

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