2016.01.30

【NBA】ドアマットチームだった
キングスを蘇らせた「2頭の猛獣」

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

 今季のNBAは、早くもレギュラーシーズンの半分を折り返した。前半戦最大の驚きは、下馬評の低かったサクラメント・キングスがプレーオフ出場圏内で争っていることではないだろうか。現地1月28日現在、20勝26敗でウェスタン・カンファレンス10位(プレーオフ圏内の8位ポートランド・トレイルブレイザーズとは0.5ゲーム差)。「ドアマット(※)の常連」だったキングスに、いったい何が起きたのか――。

※ドアマットチーム=ドアマットのように他チームに踏みつけられるほど弱いチーム。

キングスを牽引するデマーカス・カズンズ(左)とレイジョン・ロンド(右) 近年のキングスは、2005-06シーズンを最後にパシフィック地区最長となる9年間もプレーオフから遠ざかり、過去7シーズンは30勝(全82試合)にすら達していない。1990年代後半にジェイソン・ウィリアムス(PG)、クリス・ウェバー(PF)、ブラディー・ディバッツ(C)らを擁し、強さと派手さを持ち合わせたチームの面影は、もはや皆無だった。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 しかし、今季のキングスは突如、生まれ変わった。1試合平均106.3得点は、リーグ30チーム中3位。リーグ1位がウェスタン・カンファレンスを独走するゴールデンステート・ウォリアーズの115.1得点で、2位がケビン・デュラント(SF)とラッセル・ウェストブルック(PG)の2枚看板を擁するオクラホマシティ・サンダーの109.3得点なのだから、この得点力は十分に胸を張れるものである。

 しかし、これほどのオフェンス力を持ちながらウェスタン中位に甘んじているのは、リーグ最下位の1試合平均107.9失点という、極めて貧弱なディフェンス力のせいだ。現在、7勝40敗でリーグ最低勝率のフィラデルフィア・76ersでさえも、1試合の平均失点は105.0点(リーグ25位)。キングスのディフェンスがいかに”ザル”なのかは明白だろう。