2016.02.04

【NBA】シンデレラストーリーから1年。
ホワイトサイドは本物なのか?

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 昨シーズンのハッサン・ホワイトサイド(マイアミ・ヒート/C)の活躍ぶりは、間違いなくシンデレラストーリーだった。シーズン途中に彗星のごとく現れ、ある試合で12ブロックを叩いたかと思えば、別の試合では25リバウンドを奪取――。目を見張るような活躍に、「いったい彼は今までどこにいたのか?」という声も出たほどだ。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

紆余曲折を経てNBAでポジションを掴んだハッサン・ホワイトサイド とはいっても、彼は別にそれまで洞窟に潜んでいたわけではない。たしかにNBAにはほど遠い、レバノンや中国のリーグに所属していた時期もあったが、それより以前は2010年のNBAドラフトで2巡目(全体33位)ながらサクラメント・キングスに指名され、2シーズンもの間、NBAでプレーしていたのだ。昨シーズン前もメンフィス・グリズリーズと契約し、プレシーズンゲームに出場している(開幕前に解雇)。

 それでも、昨シーズン開幕後にヒートと契約するまであまり知られていない存在だったのは、恵まれた体格(213センチ)と運動能力を持っている一方で、メンタル面やバスケットボールスキルの未熟さがあったからだ。成長を期待してドラフトで指名し、プロ選手としての自覚が出てくるのを2年間待ったキングスですら、しびれを切らしてサマーリーグの途中で彼を解雇してしまったほどだった。

 ヒートは、2010年のドラフト前からホワイトサイドに注目していたと言う。それでも4年待ったのは、ホワイトサイドがどこまでプロとして真剣に取り組めるかに疑問があったからだった。2014年11月、契約を決める前にヒートのエリック・スポールストラ・ヘッドコーチ(HC)は、「努力や成長をチームがどれだけ期待しているか」という話をホワイトサイドにしたという。どんな役割を期待しているかではなく、NBA選手になるために努力する覚悟があるのかを聞きたかったのだ。