【NBA】A・ウィギンス、20歳の新人王が開幕に誓う「覚悟」とは?

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 今年9月、ミネソタ・ティンバーウルブズのアンドリュー・ウィギンスは、これまでのバスケ人生で最悪な敗戦を経験した――。

 昨年3月、カンザス大時代にNCAAトーナメントで下位シードのスタンフォード大に敗れた時よりも、NBA1年目、ミネソタ・ティンバーウルブズで82試合中66試合に負けたどの試合よりも悔しく、「最悪な負け試合」と断言したのは、カナダ代表として出場したFIBAアメリカ大陸選手権・準決勝の対ベネズエラ戦だ。

20歳らしいあどけない表情を見せるアンドリュー・ウィギンス(右)20歳らしいあどけない表情を見せるアンドリュー・ウィギンス(右) この大会でカナダは、1次ラウンド初戦のアルゼンチン戦こそ落としたものの、その後、毎試合17点以上の大差で7連勝し、準決勝に駒を進めた。準決勝に勝てば来年のリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得できる、大事な一戦だった。しかも相手は、1次ラウンドで20点差をつけて勝ったベネズエラ。しかし、結果は78対79で敗退。平均年齢が24歳にも届かない若いチームで、エースは20歳のウィギンス。経験不足もあって、大事な試合を落としてしまった。

 翌日、3位決定戦には勝利したものの、時すでに遅し。この大会でオリンピック出場権を得ることができず、来年の世界最終予選に最後の望みをかけることになった。

 大会後、ウィギンスは言った。

「この(3位決定戦の)勝利でも埋め合わせることはできない。こういう試合をするのが1日遅かった。つらくて、悔しい。チームのみんなが悔しい思いをしている。でも、僕らにはもう一度チャンスがある。そのための準備をしなくてはいけない」

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