【男子バスケ】田臥、竹内が目覚めさせた代表の新エース比江島慎

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 田臥勇太、竹内譲次、比江島慎――日本の核となる3本柱が機能し、アジアの中で戦える手応えをつかんだ大会だった。

今大会2ガードで臨んだ比江島慎(左)と田臥勇太(右)今大会2ガードで臨んだ比江島慎(左)と田臥勇太(右) 男子バスケットボールのリオ五輪切符をかけたアジア選手権が、10月3日に終了した。近年、アジアで下位に低迷していた日本は18年ぶりのベスト4に進出。準決勝でフィリピンに敗れて、優勝国だけが手にできる五輪切符には届かなかったものの、4位までに与えられる世界最終予選の切符を獲得できた。

 2006年、自国開催の世界選手権(2014年よりワールドカップに名称変更)以降、世界の強豪と戦う機会がなかった日本にとっては、踏まなければならない舞台。その挑戦権をつかめたことは一歩前進といえる。

 今大会、日本はコーチングスタッフを含めたチーム全員が役割を果たし、1、2次ラウンドでインド、パレスチナという勝負の試合を制し、準々決勝でカタールを倒し、試合を追うごとに成長していった。たとえ敗戦を喫しても、改善しながら連戦を乗り越えていくのが国際大会。そうしたタフな戦い方を、大会を通して習得していったからこそのベスト4だった。

 チームを牽引したのは司令塔であり、最年長の田臥勇太だ。日本が得意の走る展開を出すために、「何よりもルーズボールやリバウンドを取らなければ」という泥臭い仕事を勝負となるゲームで体現してみせた。田臥の執念に続いたのが、代表でのキャリアが長いインサイドの竹内譲次だった。

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