【NBA】今年がラストシーズン「かもしれない」K・ブライアントの本音 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 それでも、次のシーズンが現役最後になる「かもしれない」と、はっきりしない書き方をしたのは、コービー自身が気持ちをまだ完全に固めたわけではないからだ。

 先ほどの発言に続けて、コービーはこうも言っている。

「そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない。わからない。シーズンが終わったときに、またもう一度やりたいと感じればやるし、そうでなければやらない。おおげさに騒ぐつもりはない。(引退のときがくれば)前に進む準備はできている」

 8月になって、『Yahoo!』の記者のインタビューを受けたときも、その姿勢は変わっていなかった。

「まだ何もはっきり決めてはいない。最後のシーズンになる可能性があるのは確かだ。決めるのは、すごく難しい。(引退した)選手たちに聞いたら、『コービー、そのときがくればわかるよ』と言われた」

 引退のときが自分でわかる瞬間――。それは、選手にとっては残酷な現実を突きつけられるときなのかもしれない。身体が気持ちについていけないとき、あるいは逆に、気持ちの上でこれまでと同じだけの頑張りができなくなったと気づいたとき......。はたしてコービーにも、そんなときが来るのだろうか。

『Yahoo!』のインタビューで、コービーはこうも言っている。

「(引退するかどうかの判断は)シンプルに考えるようにしている。バスケットボールをすること――そのための準備するプロセスが好きか、そうでないか。ただ、その判断を下すのは、シーズンの後でなくてはいけないと思っている。シーズン前にそれを決めるのは難しい」

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