【NBA】「新デニス・ロッドマン」の称号を手にしたのは? (3ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

【第8位】 躍進ホークスの基礎を築いたダニー・フェリーがチームを去る

 開幕直後から勝利を積み重ね、NBAに旋風を巻き起こしたアトランタ・ホークス。前年度イースタン8位に過ぎなかったチームが、今シーズンは1月に月間歴代記録となる17勝0敗を達成し、NBAファンを大いに驚かせた。さらにオールスターには、ジェフ・ティーグ(PG)、カイル・コーバー(SG)、デマール・キャロル(SF)、ポール・ミルサップ(PF)、アル・ホーフォード(C)と、スターター5人が全員出場。球団史上初の年間60勝(22敗)も達成し、マイク・ビューデンホルツァーHCはコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

 快挙の数々に、誰もが「ホークスの未来は来シーズン以降も明るい」と思っていた。そんな矢先、6月22日にダニー・フェリーGMの辞任が発表されたのである。現役時代、フェリーはサンアントニオ・スパーズで優勝(2003年)を経験し、引退後の2012年にホークスのGMに就任。しかし昨年オフ、ルオル・デン(マイアミ・ヒート/SF)に対して人種差別発言をした疑惑を持たれ、無期限の休職扱いとなっていた。その後に調査した結果、フェリーの発言が人種的偏見によるものでないと結論づけられたものの、「責任を取りたい」とフェリーは自ら職を辞すこととなった。

 ミルサップやキャロルなどを格安で獲得し、ビューデンホルツァーをHCに採用。ホークス躍進の土台を作ったのがフェリーであることは間違いない。フェリーがチームを去ることで、ホークスの明るいはずだった未来は一転、不透明なものとなった。今オフのFA戦線においても、ミルサップとの再契約には成功したものの、キャロルはトロント・ラプターズへと移籍した。ホークスはイースタンの強豪に定着できるか、それとも1年だけの輝きに終わってしまうのか? フェリーなき来シーズンが試金石となる。

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