【NBA】ステファン・カリーが欲しかった「もうひとつのトロフィー」 (3ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Gatty Images

「このトロフィーのほかに、もうひとつトロフィーを勝ち取れたらと思っている」

 レブロンを倒してウォリアーズが優勝し、ファイナルMVPはステファン・カリー。ただ、そんなシナリオを、「キング」が黙って受け入れるはずはない。ファイナル開幕直前、カリーに最大限の敬意を払いつつ、レブロンはこう言った。

「カリーを止められるか? 俺を止めようとするのと同じだ。つまり、誰も止められない」

 ついに、頂上決戦の幕は上がった。

 第1戦――。カリーは26得点、レブロンは44得点を挙げ、延長戦の末に108対100でウォリアーズが先勝。だが、キャブスにとって敗戦以上に痛かったのが、カイリー・アービング(PG)が左ひざを骨折し、第2戦以降の離脱が決定したことだった。ファーストラウンドで離脱したケビン・ラブ(PF)に加え、ここにきてアービングも負傷。「ビッグ3」の両翼を失ったレブロンはひとりでウォリアーズと戦わなければならず、現地メディアは「世界最強のバスケットボール選手(レブロン)と、世界最強のバスケットボールチーム(ウォリアーズ)との対決」と報じた。

 キャブスの圧倒的不利と思われた第2戦だったが、再びの延長戦を押し切ったのはキャブスだった。孤軍奮闘のレブロンは、39得点・16リバウンド・11アシストのトリプルダブルを達成。さらに、アービングの代わりにスターターとなったマシュー・デラベドバ(PG)が、見事な「カリーストッパー」となった。

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