2015.02.05

【NBA】不調のキャブスが輝きを取り戻した「あるキッカケ」

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 1月半ば、チームの調子がどん底にあったとき、クリーブランド・キャバリアーズのヘッドコーチ、デビッド・ブラットはチーム練習を中止して、選手たちをボウリング場に連れて行った。

 キャブスはその前日、フェニックス・サンズに敗れて6連敗を喫したばかり。この時点で今季19勝20敗と、勝率5割を下回る成績に落ち込んでいた。サンズ戦では、年末から2週間欠場していたSFレブロン・ジェームズが復帰し、33得点・7リバウンド・5アシストをあげる活躍をしたのだが、それでも連敗を止めることができなかっただけに、チームの立て直しが容易でないことを思い知らされてもいた。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

キャブスでチームメイトとなったケビン・ラブ(左)とレブロン・ジェームズ(右) 昨年夏、レブロン・ジェームズがフリーエージェントで戻ってきたことをキッカケに、キャブスはドラフト1位指名で獲得した2選手を放出してPFケビン・ラブ(前ミネソタ・ティンバーウルブズ)を獲得するなど、「育成による再建」から「優勝狙いのチーム作り」に路線を切り変えていた。と同時に、キャブスに対する期待は過剰なほど高まり、チームにかかるプレッシャーは相当なものとなった。負けが続いたときには、「NBAヘッドコーチ1年目のブラットのクビも危ない」とのウワサが噴出し、デビッド・グリフィンGMが慌てて解任を否定するコメントを出す一幕もあったほどだ。

 そんな中、敵地ロサンゼルスでのレイカーズ、クリッパーズとの2連戦を前に、ブラット・ヘッドコーチは思い切って練習を中止にしたのだった。選手たちにはあらかじめ知らせず、練習に行くと見せかけて、バスをハリウッドのボウリング場に向かわせた。

 練習のつもりでバスに乗っていた選手たちは、コーチの思わぬ計らいにビックリするとともに、大いに喜んだ。練習の代わりにチームメイトたちと一緒にボウリングを楽しんだことで、選手は連敗による否定的な感情や、高い期待のプレッシャー、そして一挙一動が注目される窮屈さから解放された。

「(ボウリングは)予想外の驚きだった。だが、チームのためにはすごくいい時間だった。我々は様々なことからの気分転換が必要だったんだ」とラブは言う。

 キャブス4年目のPGカイリー・アービングも、「楽しかった」と振り返る。アービングによると、キャブスの選手同士は仲が良く、ともに過ごすことを楽しんでいるチームなのだという。