【NBA】パウ・ガソルはなぜブルズ移籍を決意したのか? (2ページ目)
しかし、一方のノアはそれだけ熱心に勧誘しながらも、ガソルがブルズを選んだことに驚いていた。
「なぜって、シカゴは(NBAシーズンの冬になると)凍えるほど寒いのだから」と、ノアは理由を明かした。
「ガソルが前にシカゴに来たときは......あの、ポーラーなんとか(ポーラー・ボルテックス=アメリカに何十年以来の大寒波をもたらした気流の渦)がやってきたときで、耐えられないほど寒かった。(それを経験しながらも)温暖な西海岸のロサンゼルスでの生活を捨て、シカゴ(の寒波)を選んだのだから、それだけで彼の決意が分かるというものだ」
記者たちが笑うと、ノアは真剣な顔で言った。
「みんな笑うけれど、彼は本当に、"勝ち・負け"で決断を下したんだ。そのことを、僕は尊敬している」
ここでもノアは、真実を語っている。
新シーズンのブルズにとって、ガソルの加入と並んでビッグニュースなのが、エースのデリック・ローズの復帰だろう。2012年4月、ローズはプレイオフで左ひざの前十字じん帯を断裂。その後、1年半かけて復帰したものの、直後に右ひざの半月板を損傷し、昨シーズンの残り試合を全休した。この2シーズンで出場したのは、わずか10試合......。それほど長く戦列から離れていたローズが、ようやくコートに帰ってくるのだ。
地元シカゴ出身で、街の人すべてから愛されているローズの復帰について、チームメイトのノアは、「単にエースの復帰、というだけでない」と持論を語った。
「デリックのように能力ある選手の復帰が嬉しいのはもちろんだが、それだけではない。彼がこの街(シカゴ)にとってどれだけ大きな存在かということを考えると、そのチームの一員でいられることが嬉しいんだ。街が愛する選手を中心とするチームだからこそ、彼が戻ってくるのは本当に嬉しい」
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