【男子バスケ】富樫勇樹、NBAと日本代表に挑んだ夏 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●文・写真 text &photo by Konagayoshi Yoko

―― 改めて聞きたいのですが、今回の渡米は、高校進学の時に渡米した時とは決意は違うものなのですか?

 全然違いますね。中学のときは何もわからず、言葉がわからない大変さも知らずに行ったんです。あのときはアメリカ行きを悩んだというよりも、日本の高校をどこにするかで悩んだという感じですね。両親は「自分の好きなところに行け」と言ってくれて、考えた末に「アメリカに行く」と言ったら「本当に行くの?」みたいな感じだったんです。父を通してお世話になった高校の先生はたくさんいたんですけど、そうじゃなくて、知らないところでプレイしてみたかったので、アメリカ行きを決めました。

 でも、NCAAディビジョン1のフルスカラシップ(学費全額免除の奨学金)のオファーがもらえなかったので、アメリカの大学に進学することは断念せざるを得なくて、それは本当に悔しかった。高校3年間、自分なりには努力してきたつもりだったんですけど、フルスカラシップをもらえなかったというのは実力不足だったということ。日本に帰ってくる決断をした時はアメリカに戻るとは思ってなかったけれど、bjリーグである程度の自信がついたので、もう一回、海外に出てチャレンジしたいという気持ちになりました。今はNBAが無理でも、Dリーグでプレイするためにトライしたいです。

【プロフィール】
富樫勇樹(とがし・ゆうき)
1993年7月30日生まれ。新潟県出身。スピードあるプレイと1対1の得点力を持つ167cmのポイントガード。本丸中学校3年時に、父・英樹氏のコーチのもとで全国優勝の原動力となり、高校はアメリカのモントロス・クリスチャン高に留学。帰国後の2012-13シーズンにbj秋田にアーリーエントリー制度を用いて入団し、新人王を獲得。2013-14シーズンにチームをファイナルに導く活躍でベスト5を受賞。2014年に日本人で4人目となるNBAサマーリーグに出場し、さらに日本代表入りを果たす。

(つづく)

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る