【NBA】故障から1年。レイジョン・ロンドが「オトナ」になって帰ってきた

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by Getty Images

 1月上旬、試合前にボストン・セルティックスのロッカールームで取材していたとき、レイジョン・ロンドの雰囲気が少し変わったような印象を受けた。以前のロンドは、試合前に話しかけてはいけないようなオーラをまとっていた。実際、取材しようとしたレポーターに対して、急にキレて怒鳴る姿を見たことがある(もっとも、このときのやり取りを一部始終見ていたわけではないので、レポーターのほうに何か非があったのかもしれないが......)。

1年という長いリハビリを経てセルティックスに帰ってきたレイジョン・ロンド1年という長いリハビリを経てセルティックスに帰ってきたレイジョン・ロンド それが、この日のロンドからは、会話ができそうな空気を感じた。寿司好きの彼は、いつものようにロール寿司を食べていたので、「お寿司が好きなの?」と声をかけてみた。すると自然に、「そうだよ。君も寿司が好き?」と返ってきたのだ。会話になっているではないか!

 この時のロンドはまだ、試合に復帰する前だったから、いつもほどピリピリしていなかったのかもしれない。あるいは、単に機嫌がいいだけだったのかもしれない。それでも、チームメイトと話す様子も含めて、何かが変わったように感じて、印象に残っていた。

 ロンドはその後、10日ほどして試合に復帰した。2013年1月下旬に右ひざ前十字じん帯を断裂して以来、ほぼ1年ぶりとなる試合復帰だった。ロンドが欠場している間に、ヘッドコーチのドク・リバースがロサンゼルス・クリッパーズへと去り、ベテランのポール・ピアースとケビン・ガーネットはブルックリン・ネッツにトレードとなった。故障前とは、まったく違うチームへの復帰だ。

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