2014.01.23

【NBA】ウェストブルック欠場をプラスにするサンダーの強さ

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi 是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo, Getty Images

 ウェスタン・カンファレンスの首位争いが激化している。1月21日現在、1位のサンアントニオ・スパーズ(32勝9敗)、2位のオクラホマシティ・サンダー(32勝10敗)、そして3位のポートランド・トレイルブレイザーズ(31勝11敗)は、すべて勝率7割以上。わずか1.5ゲーム差の中で3チームが競い合っている。その中で気になるのは、2位のサンダーだ。昨年末、ポイントガードのラッセル・ウェストブルックがひざの手術のためチームを離脱。2月のオールスター明けまで欠場することになった。主力を欠いたサンダーの今後はどうなるのか、「ミスター・バスケットボール」佐古賢一氏に話を聞いた。

ウェストブルックがいなくなった今、エースとしての真価が問われるケビン・デュラント たしかにラッセル・ウェストブルック(PG)が欠場してから、オクラホマシティ・サンダーの勝率は少し落ちています。ただ、現状がすべて悪い方向に向かっているとは言い切れません。なぜならば、ウェストブルックを欠いた今、チームメイトが急成長を見せているからです。

※ポジションの略称(C=センター、PF=パワーフォワード、SF=スモールフォワード、SG=シューティングガード、PG=ポイントガード)

 まず、ウェストブルックとともにサンダーの得点源であるケビン・デュラント(SF)は、コート上にウェストブルックがいなくても、リーダーシップを発揮するようになりました。昨シーズン、ウェストブルックが故障したときは、ひとりになったことで調子を崩してしまい、プレイオフでいい結果を残せませんでした。思うようなプレイができないことでストレスが溜まり、テクニカルファウルをもらうケースも多かったです。しかし今は、非常に落ち着いたプレイでコンスタントに得点をマークしています。おそらくデュラントは、昨シーズンの反省を踏まえたのでしょう。

 昨年、プレイオフで早々に敗退したときは、周囲から多くのバッシングを受けました。しかし、デュラントはそんな外部の声をしっかりと受け止め、自分自身の悪い部分を修正したのです。それは、リーダーとしての自覚が相当高い証拠でしょう。また、デュラントは現在、手首を痛めているにもかかわらず、休まずに出場しています。その点でもリーダーとしての自覚を感じます。本来ならプレイタイムに制限を設けて、1試合25分程度に抑えてもいいはずです。しかし、ウェストブルック不在の今、デュラントは約40分間、しっかりとコートに出ています。これはまさしく、「自分がサンダーを引っ張るんだ」という気持ちの表れでしょうね。ウェストブルックがいなくても、得点を量産してチームを牽引していこうとする姿勢が全面に出ていました。その結果、デュラントの1試合平均30.6得点は、2位のレブロン・ジェームズ(マイアミ・ヒート)を平均4得点以上も引き離して堂々のリーグ1位。自身4度目なる得点王に輝く可能性は十分あるでしょうね。