【NBA】スリーピートのために、ヒート「第3の男」が変身中

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by Getty Images

 昨年末の12月30日、マイアミ・ヒートのクリス・ボッシュがイースタン・カンファレンスの週間MVP選手に選ばれた。それは2010年4月4日以来、ほぼ4年ぶりの受賞だった。

「このチームには『彼ら』がいるから、週間MVPを取るのは難しいんだ」とボッシュは言う。『彼ら』とは、ボッシュのチームメイト――レブロン・ジェームズとドウェイン・ウェイドのことだ。

アグレッシブにプレイするクリス・ボッシュの活躍なくしてマイアミ・ヒートの3連覇はないアグレッシブにプレイするクリス・ボッシュの活躍なくしてマイアミ・ヒートの3連覇はない 2010年夏、トロント・ラプターズからヒートに移籍したときから、ボッシュは「第3の男」になった。レブロンやウェイドの影となって、あまり注目されない立場になったからだ。事実、ラプターズ時代に7度受賞した週間MVPも、ヒート移籍後は一度も受賞することはなかった。

「第3の男」であり続けるということは、簡単なことではなかった。ラプターズのエースとして平均20得点、10リバウンドを挙げていた時代と比べると、攻撃でボールに触れる回数は激減。シュートを打つ本数は自ずと少なくなり、自然と平均得点も下がっていった。

 ボッシュの変化は、数字だけではなかった。以前はポストからのインサイド攻撃を主な武器としていたが、レブロンやウェイドがペネトレイト(※)するスペースを作るために、ポストを離れることが増えた。そのため、ボッシュはアウトサイドからのシュートを磨いたが、オフェンス時にポストの外で待っているだけでなく、「もっと自分の力で切り開きたい」と思うこともあったという。「第3の男」になってからの日々は、マッチアップしている相手に決められたら、自分も決め返したいという自身のエゴ――競争心との闘いだったのだ。

※ペネトレイト=ゴールに向かってドリブルで切り込んでいく攻撃手段。

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