【NBA】2012-13シーズン開幕。王者ヒートを倒すのはどこだ? (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

 多くの評論家が断ずるように、イースタンでヒートに対抗できる力を持ったチームは皆無と言ってもいい。昨季、リーグ最高勝率(50勝16敗)を記録したシカゴ・ブルズは、エースのデリック・ローズが昨年のプレイオフ1回戦で左ひざのじん帯を断裂。今季もシーズン最初の数ヵ月は欠場の見込みで、これも「ヒート独走」という評価に輪をかけている。しかしそれでも、地力のあるブルズは昨季と同じぐらいの勝ち星は稼ぐとの予想だ。

 一方、イースタンで面白そうな存在と言われているのが、インディアナ・ペイサーズだ。地味ながら安定感のある中核選手を擁し、今季は現役屈指のダンカー、ジェラルド・グリーン(前ニュージャージー・ネッツ)を補強。選手層を厚くすることに成功した。

 アレンを失ったことでレイジョン・ロンドのさらなる活躍が期待されるセルティックスや、ジェイソン・キッド(前ダラス・マーベリックス)を獲得したニューヨーク・ニックス、そしてブルックリンに移転したネッツなども注目されているが、チームケミストリーを構築するには、まだ時間がかかると考えられている。彼らが開幕ダッシュする可能性は高くないだろう。


※数字は2011-12レギュラーシーズンの順位。★は昨季プレイオフ進出チーム※数字は2011-12レギュラーシーズンの順位。★は昨季プレイオフ進出チーム【ウェスタン・カンファレンス】

 ヒートが一歩抜け出しそうなイースタンと比べると、ウェスタンは各チームとも最後まで競り合うだろうと予想されている。注目はやはり、前述したロサンゼルス・レイカーズだ。MVPを2度獲得しているスティーブ・ナッシュをフェニックス・サンズから、リーグ屈指のビッグマンのドワイト・ハワードをオークランド・マジックから獲得したことで、レイカーズはコービー・ブライアント、パウ・ガソルを合わせた『ビッグ4』を作り上げた。

 この『ビッグ4』は、2001年のレイカーズのそれ(ブライアント、シャキール・オニール、カール・マローン、ゲイリー・ペイトン)を上回るとの声も多い。だが、ナッシュの38歳という年齢や、ブライアントの故障の多さなどのネガティブな要素も指摘されており、どれだけ『2012年版ビッグ4』が機能するかは開幕してみないとわからないと見る向きもある。

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