デビスカップ敗退。錦織の進化と日本チームに突きつけられた課題

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

約5時間に及ぶ死闘を繰り広げた錦織圭(右)とアンディ・マリー約5時間に及ぶ死闘を繰り広げた錦織圭(右)とアンディ・マリー 4時間54分の激闘の末、アンディ・マリーに敗れた錦織圭が会見場に現れたとき、その顔は紅潮し、双眸(そうぼう)は潤んでいた。虚脱感を伴う、悔しさを抑えきれない表情は日本チームの敗戦を象徴しているようにも見えた。

 男子テニス国別対抗戦デビスカップ・ワールドグループ(以下WG)1回戦で、日本(ITF国別ランキング14位、以下同)は、2015年の優勝国であるイギリス(1位)に、1勝3敗(第5試合は開催されず)で敗れ、2014年以来のベスト8進出はならなかった。

 大会2日目のダブルスで、予想通りイギリスはメンバー変更を行ない、アンディ・マリーを投入。兄のジェイミー・マリーと組んで必勝態勢で臨んだ。その結果、マリー兄弟は西岡良仁/内山靖崇組に、一度もサービスブレークを許さないストレートの完勝。イギリスは2勝目となり、王手をかけた。

 大会最終日、日本は1敗もできない状況で、錦織(ATPランキング6位、大会時、以下同)はマリー(2位)とのエース対決を迎えた。

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